実験の手順
A. カレーソース焼きそば
- フライパンにコップ半分ほどの水を入れ、火にかける。沸騰したら中華そばを入れ、よくほぐす。
- 中華そばが柔らかくなり、水が白く濁ってきたらカレー粉を振りかけてよく混ぜ、色の変化を観察する。
- 最後にウスターソースを入れると、色が変わったはずのカレー粉がまた元の黄色に戻る。
- フライパンにコップ半分ほどの水を入れ、火にかける。沸騰したら、一口大にざく切りにした紫キャベツを入れ、よく炒める。
- キャベツがしんなりとして、色素が出て水が紫色になったら中華そばを入れ、よくほぐす。紫色の水や中華めんの色の変化を観察する。 →
- 最後にウスターソースを入れると中華めんの色が元の黄色に戻る。
アドバイス
- 火を使いますので、やけどには充分注意してください。
- 使用する中華めんはかんすい入りであることを確認してください。
- ウスターソースの代わりにお酢やレモン汁でも色を元に戻すことができますが、後で食べるならウスターソースがおすすめです。
解説
- カレーソース焼きそばで見られた色の変化の秘密 カレー粉の中にはクルクミンと呼ばれる色素が含まれています。この色素は中性と酸性溶液中では黄色ですが、塩基性(アルカリ性)溶液中では赤色を呈します。中華そばにはコシを出すために「かんすい」という物質が入っています。この「かんすい」は塩基性を示すため、カレー粉を中華そばにかけると中華そばが赤くなったのです。また、最後に酸性のウスターソースを加えることで「かんすい」の塩基性が中和され、再び黄色に戻ります。
- 紫キャベツの焼きそばで見られた色の変化の秘密紫キャベツにはアントシアニンと呼ばれる色素が含まれており、この色素は中性の溶液中では紫色ですが、溶液が酸性では赤色を呈し、溶液が塩基性になるにつれて青色が増します。中華そば中のかんすいの塩基性により緑色の焼きそばが出来たというわけです。
- 紫キャベツの色素アントシアニンの色調変化の原理アントシアニンはナスやブドウの皮、アサガオやブルーマローなどの高等植物の花弁などにも含まれています。アントシアニンは発色のもととなるアントシアニジンの配糖体であり、酸性度が変化することによりアントシアニジンへの水素イオンの付加・解離平衡が関与して色の変化が見られると考えられています。アントシアニジンとアントシアニンの構造を以下に示します。 ここに示したアントシアニンは糖としてグルコースが結合したものを示しましたが、他に、ガラクトース、ラムノースなどが結合したものが多く存在します。酸性溶液中や塩基性溶液中でのアントシアニンの色調変化は以下のような反応式で説明することができます。 上に挙げた植物中には、実際にはアントシアニン以外の色素や、MgやCaなどの金属も存在しているため、それらの相乗効果で複雑な色調変化を見ることが出来ます。
- コメント(5件)
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日本分析化学専門学校 管理者
(2009/10/12)
コメント投稿ありがとうございます。
やはりみなさん味が気になっているようですね。
食べられる実験は味覚でもその結果を感じることができるので、とってもわくわくしますよね。
食べた方の投稿がますます待ち遠しいですね。チンチラ74号
(2009/09/05)
最後はややカレー味のおいしいソース焼きそば、な気がしますが、まだ試したことはありません^^;
誰か報告待ってます!
ブルーベリー入りのケーキ焼いたときに、緑っぽく(灰色っぽく)なっておいしそうじゃなくなった時があったけど、これも色素と酸性度の関係だったんだろうなとナットク!
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