準備するもの
○器具
・ビーカーなどの容器(サンプルを入れるもの):10個(サンプル数分)
・1L容ビーカー:1個
・試験管:10本程度(サンプル数分)
・ガスバーナー:1台
・三脚:1台
・スレート板:1枚
・薬さじ:10本(サンプル数分)
・スポイド:1本
・使い捨てビニール手袋):人数分
・試験管ばさみ:1~2個
○試薬等
・ 0.5%ニンヒドリン水溶液(水を加熱すれば、アルコールを使わなくても溶解します。)
○サンプル(台所にあるような白い粉)
・味の素
・ベーキングパウダー
・ゼラチン
・寒天
・ドライイースト
・小麦粉
・砂糖(上白糖・グラニュー糖)
・塩化ナトリウム
・でんぷん など
【材料の入手方法】
・ニンヒドリン(10g) 約3500円(試薬会社から購入)
実験の手順
1.1L容ビーカーに水を半分程度入れ、バーナーで沸騰させておく。
2.0.5 %ニンヒドリン溶液を調製しておく。
3.試験管にサンプルを少量入れる。
4.3)の試験管に水を約5mLと0.5%ニンヒドリン1mLを加える。
5.1)で準備した沸騰水中に4)の試験管を入れ、沸騰水浴中で加熱する。沸騰したら火加減をして数分加熱を続けて変化を観察する。
アドバイス
実験時はビニール手袋を着用して、ニンヒドリンを直接触ることを避けてください。
もしもニンヒドリンが体についてしまうと、紫色に変色してしまいます。これは、皮膚のペプチド成分と反応しており、石鹸で丁寧に洗うと色は薄くはなりますが、完全には落ちません。ただし、皮膚の新陳代謝により、数日経てば色は落ちていきますので安心して下さい。
解説
この反応は、ニンヒドリン水溶液とアミノ酸によって起きる呈色反応で、アブデルハルデン反応とも呼ばれます。
反応式を図に示しますが、ニンヒドリン2分子とアミノ酸が縮合し、紫色の色素(ルーヘマン紫)が生成します。同時に、アミノ酸の還元でアルデヒド、その他に二酸化炭素と水が生成します。
アミノ酸は、アミノ基(-NH2)とカルボキシル基(-COOH)を持つ有機化合物の総称で、タンパク質やペプチドの構成要素です。したがって、このニンヒドリン反応は、アミノ酸だけではなく、タンパク質やペプチドの検出に利用されています。その代表的な事例として、指紋検出があります。人の手のひらには汗腺がありますが、汗には水分や塩分に他にタンパク質、アミノ酸、脂肪等が含まれています。紙や布に付着した指紋は、ニンヒドリン溶液を噴霧器で吹きかけてドライヤーで加熱すると、その部分だけが紫色に変化するので、容易に指紋を検出することができるのです。
ただし、タンパク質を構成する環状アミノ酸のプロリンは、一般的なα-アミノ酸とは異なり、窒素原子が水素を1つしか持たないために、ニンヒドリン1分子としか反応せず黄色い色素が生成します。
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