実験の手順
- 500mlビーカーに水を入れ、お湯を沸かしておく。
- 炭酸水素ナトリウム0.1gをはかり取り、100mlの水で溶かす。
- サリチル酸2gを試験管に入れ、さらにメタノール5mlをスポイドで加える。
- 3の試験管に濃硫酸を1,2滴加える。
- 1で沸かしておいた水浴中で試験管を加熱し、サリチル酸を完全に溶かす。
- 2の炭酸水素ナトリウム溶液中に溶けたサリチル酸を加える。
- サリチル酸メチルの白い沈殿が、湿布薬の匂いとともにできあがる。
アドバイス
- この実験で生成するサリチル酸メチルは、芳香性で消炎鎮痛剤として用いられる。
- 一方、風邪薬の中に含まれる解熱剤のアスピリン(アセチルサリチル酸)は、サリチル酸の水酸基と無水酢酸を反応させることにより生成するため、その逆反応としてアスピリンの加水分解でサリチル酸が得られる。
- 但し、風邪薬中のアスピリンの量から得られるサリチル酸は少量なので実験ではサリチル酸を出発物質としてサリチル酸メチルを生成する。
- 濃硫酸は大変危険で脱水作用があるため衣服に付着すると焦げるおそれがあるので、取扱には十分注意すること。
- 操作5で試験管から突沸する恐れがあるので、決してのぞき込まないようにすること。また、試験管口を人に向けないようにすること。
- 炭酸水素ナトリウム溶液は、反応に用いた濃硫酸を中和させる為に用いている。
解説
この実験はサリチル酸のカルボキシル基とアルコールのエステル化の反応により、サリチル酸メチルが生成する反応です。
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