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-実験 NO.161-

実験B-12 <合成繊維を作ろうの巻>

所要時間
40分
投稿者
日本分析化学専門学校

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準備するもの

【使用器具・薬品】
・ アジピン酸ジクロライド(二塩化アジポイル)<溶液A>
・ 1,6-ヘキサメチレンジアミン<溶液B>
・ 水酸化ナトリウム(0.5mol/l)
・ ヘキサン
・ 指示薬 (反応に特に必要はないが、アルカリ性で呈色するもの)
・ ビーカー(50ml)
・ 駒込ピペット
・ 針金またはピンセット
・ 試験管

【材料の入手】
・ アジピン酸ジクロライド(二塩化アジポイル)(25g:5,400円)
・ 1,6-ヘキサメチレンジアミン(25ml:1,500円)
・ 水酸化ナトリウム(500g:750円)
・ ヘキサン(500ml:700円)

実験の手順

【操作手順】
  1. 溶液の調製 A.溶液A (1) 1,6-ヘキサメチレンジアミンは常温では固体のため、瓶ごと湯煎(40~50℃で溶ける)して液体にしてから用いること。この時、フタをゆるめておく。(固まりのままでは上手く溶けない。) (2)液体の1,6-ヘキサメチレンジアミン25mlを水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、500mlとする。 B.溶液B (1)アジピン酸ジクロライド(二塩化アジポイルとも言う)は分解しやすいので、冷暗所で保存しておく。また、アンプル瓶に入っているため、瓶を開けるときには冷たいうちに開けないと中のガスが開けたときに吹き出すことがある。(開封したものは保存できない) (2)ヘキサン400mlにアジピン酸ジクロライドを少しずつ切れ目の無いようにかき混ぜながら入れる。入れ終わったらヘキサン100mlを加える。途中で操作を中断したり、一度に入れたりすると、白い沈殿物が出来、反応が上手くいかないことがある。
  2. 溶液Aを5ml、指示薬を1滴、ビーカーに入れる。
  3. 溶液B5mlをビーカーの壁を伝わらせて、AとBの溶液が混ざらないように注意しながらゆっくり入れる。
  4. AとBの境目にできた膜の中心を針金でひっかけ、試験管に巻き付け、巻き取る。

アドバイス

  1. 糸は速く引っ張れば細く長くなり、ゆっくり引っ張れば太く短くなる。
  2. ビーカーの壁に付けないように引っ張ればきれいにできる。
  3. 指示薬は、ナイロンの合成自体には必要はないが、界面が見やすくなり、注目度もupする。
  4. 水酸化ナトリウムは、潮解性が大きいためはかりとり時、直接手で触れると手の水分で強アルカリ性溶液になるため、必ず薬さじを使用すること。また、もし手に付いたときは、ぬるぬる感が取れるまで大量の水で洗い流し、顔には手を触れないこと。目に入ると失明の恐れがある。必ず保護メガネ着用すること。
  5. ヘキサンは危険物第4類の引火性液体。換気を忘れないこと。

解説

今回作ったナイロンは世界で最初に商品化された合成繊維で、「ナイロン6,6(6,6ナイロンとも言う)」と呼ばれています。反応は界面重合と呼ばれ、2つの液が出会った瞬間にその界面(境目)に膜ができる反応を利用しています。そのため、膜を引っ張って取り除くと、新しい界面ができ、次々と新たに膜ができるのです。できたナイロンの構造式は以下のとおりです。 このように最初に作られた合成繊維は、天然繊維(絹)を真似たアミド結合(NH-CO)の結合を利用して合成されました。 今回取り上げた“ナイロン”。よく耳にする名前でプラスチックの代名詞のように使われています。でも、それは大きな間違い!!例えば、スーパーの袋やゴミ袋は、よく“ナイロン袋”と呼ばれますが、実際は“ポリエチレン”と呼ばれる物質でできています。ですから正しい名前は、ポリ袋と呼ぶのが正解です。もちろん“ビニール袋”も間違いです。
コメント(4件)

日本分析化学専門学校 管理者

(2014/08/26)

ぜひやって見て下さい!とっても楽しいですよ!
ちなみに、日本分析化学専門学校の体験入学ですと、この実験を行っていますので、お気軽にご参加くださいね♪

ニッケル

(2014/05/03)

学校でぜひやってみたいです!

日本分析化学専門学校 管理者

(2009/10/13)

コメント投稿ありがとうございます。
ファンタ先生は高校の先生でしょうか?
学校で実施された際には、生徒の皆さんの反応もぜひお知らせください☆

ファンタ

(2009/09/09)

家庭で実施するのは難しそうですが、是非、学校で実施をして生徒に高分子の楽しさを教えたいと思います。

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