実験の手順
1.フリクションペンを使って、紙や紙コップに文字を書く。
2.書いた文字の一部をペンについているラバーでこすり、文字の様子を観察する。
3.紙に書いた文字にドライアーで温風を当て、文字の様子を観察する。
4.紙コップにお湯を注ぎ、文字の様子を観察する。
5.紙コップの中のお湯を捨てて冷水を入れ、消えた文字の様子を観察する。
6.紙にドライアーで冷風を当てて、消えた文字の様子を観察する。
7.紙に冷却スプレーを噴射して冷却し、消えた文字の様子を観察する。
アドバイス
・熱湯で火傷をすることのないように注意してください。
解説
◎加熱すると、どうしてインクの色が消えるのでしょうか?
フリクションペンのインクの中には、「ロイコ染料」、「顕色剤」、「色温度調整剤」という3つの成分が、マイクロカプセルに封入されて存在しています。
ロイコ染料は、顕色剤と結合している状態では色を示します。しかし、60度以上の高温にインクが晒されると、マイクロカプセル内で変色温度調整剤が顕色剤と結合するため、ロイコ染料と顕色剤との結合が切れて色を示さなくなります。この状態では、色は消えていますがインク自体は存在しているので、ブラックライトを当てると文字の部分が薄く光って見えます。
一方、一度消えた文字が冷却すると見える様になる理由は、-20度以下の低温では顕色剤が変色温度調整剤から離れ、再びロイコ染料と結合を作るためです。
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