実験の手順
A.浮沈子を作る
- 1つのミニしょう油差しの栓を外し、その口にワッシャー2個を付け、栓を閉める。
- 水を入れたコップに、1のミニしょう油差しを浮かべ、中の水を少しずつ出し入れ、しょう油差しがコップの中にちょうど浮くように調節する。水一滴でも変わってしまいますので、根気よく作業して下さい。(しょう油差しがコップの真ん中に止まって、しばらくするとゆっくり浮いてくるくらいが、ちょうど良い状態です。)
- 水を満たしたペットボトルに、2で調節したミニしょう油差しを入れ、ペットボトルのキャップをしっかりと閉める。
- ペットボトルを握ってみましょう。ミニしょう油差しの動きはどうなるでしょうか? 次にペットボトルから手を離してみましょう。どうなるでしょうか?
- Aの2で調節しミニしょう油差しをaとする。お湯を入れたコップでミニしょう油差しbを、氷水を入れたコップでミニしょう油差しcを浮かべ、同様にコップの中程の浮くように調節する。
- 水を満たしたペットボトルにa〜cの3個のミニしょう油差しを入れて完成です。
- ペットボトルを氷水につけたり、お湯につけたりしてみましょう(微妙な温度差で浮き沈みが変わってきます。いろいろと試してみましょう。)中の浮沈子はどう動きましたか?
アドバイス
解説
A 浮沈子を作る
浮沈子:自由に浮き沈みする小さな入れ物のことをいいます。
浮沈子が浮き沈みする理由:水を満たしたペットボトルを握ると、中の水が押されます。その水が押される力は、ミニしょう油差しにも同じ大きさで伝わります(パスカルの原理)。すると、ミニしょう油差しの中の空気が押されて縮みます。
浮力は中の空気の体積によって変化するために結果的に浮力が小さくなり、沈んでしまうのです。
B ガリレオ温度計を作ろう
物質は、一般的に暖まると体積は大きくなりますが密度は小さくなり、冷えると体積は小さくなり密度は大きくなります。
しかし、体積が変化しにくい密閉された浮沈子の密度はほとんど変わりません。
気温が上がるとペットボトルの水が温まり、密度が小さくなります。
一方、浮沈子の密度はほぼ変わりませんので、相対的に浮沈子の密度の方が大きくなるため、浮沈子が沈んでいくのです。気温が変化するのに伴って水温も変化します。水の場合は4℃の時に一番密度が大きく、それより温度が上がると少しずつ密度は小さくなっていきます。その中にあまり密度が変化しない物(浮沈子)を入れてちょうど浮くようにしておくと、わずかな水の密度の変化によって浮沈子が浮いたり沈んだりするわけです。温度が高くなるに従って浮沈子の浮力が小さくなり、沈んで聞くことになるわけです。ちなみに、このガリレオ温度計はインテリアとして、2千円から2万円くらいで売られています。
- コメント(3件)
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日本分析化学専門学校 管理者
(2009/10/13)
コメント投稿ありがとうございます。
bbさんは小学校の先生でしょうか?
他の実験にもたくさんコメントをいただいており、ありがとうございます。これからも小さいお子さんから大人まで楽しめる実験を更新してまいります!bb
(2009/09/15)
浮沈子は某中学校の入試で出てましたね。
小学生には難関ですが、醤油さしで簡単に作れるので、教室に置いて実際に見せてあげようと思います。
浮力や温度による水の体積の変化などについて学ぶ時の、教材の一つにしたいです。こういう授業で使える実験はすごく助かります!
sugar
(2009/09/04)
随分前に東急ハンズでガリレオ温度計を見て、買おうかどうしようか迷いました。だってあまりにも美しいんですもん♪
それと比較するとしょう油さしとはちょっと庶民過ぎる気がしますが、まぁそれもご愛嬌でしょうか(^^)
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