実験の手順
- そのまま観察 それぞれの粉末を薬包紙上にとり、虫眼鏡を使って粒の様子を観察したり、手触りを確かめたりする。 <図1 虫眼鏡で観察する操作>
- 加熱したときの様子 アルミホイルで小さな皿を作り、これにティースプーン一杯の白い粉を入れる。容器を餅焼き用の 金網にのせ、ガスコンロで加熱し、その様子を観察する。 <図2 加熱の様子>
- 水に入れたときの様子 コップに水を入れ、ティースプーン一杯分の白い粉を加え、割り箸でよく混ぜる。
- 水溶液の通電性 豆電球と電池をつなげた導線を操作3のコップの水溶液につける。 豆電池の代わりに電子オルゴールをつないでもよい(写真は電子オルゴールを使用)。 <図3 電子オルゴールを用いた通電性の確認操作>
- 水溶液の液性(pH) リトマス試験紙(もしくはpH試験紙)を操作3のコップの水溶液につけて色の変化(酸性・中性・アルカリ性を調べる)を見る。
アドバイス
- 火気に注意してください。
- 今回用いた物以外にも、色々な粉末で試してみてください。ただし、他の粉末を用いる場合には、毒性や可燃性、爆発性などの性質がないかどうか、よく調べた上で行って下さい。今回は安全な粉末を用いますが、通常は薬品を手で触ったり、味見をしたりしないで下さい。
解説
今回の実験で用いた白い粉の性質をまとめました。見分ける参考にして下さい。
- 食塩(塩化ナトリウム) 結晶の形は、サイコロ型の正六面体。水によく溶け、溶解度は常温で約36g/100ml。水溶液は透明です。ナトリウムイオンと塩素イオンが電気的に結合したものであり、水溶液中では電離し、電気をよく通します。水溶液のpHは、中性。
- 砂糖(ショ糖(スクロース)) 水によく溶け、水溶液は透明。電離しないので、水溶液は電気を通しません。有機物であるため、粉末のまま加熱すると黒い炭が残ります。170℃くらいでカラメル状になります。
- 片栗粉(デンプン) ブドウ糖がたくさんつながってできています。直線状のアミロース、分岐の多いアミロペクチンがあります。どちらも常温では水に溶けにくく、加熱すると粘性のある液体になります。粉末のまま加熱すると黒い炭が残ります。
- 重曹(炭酸水素ナトリウム) ナトリウムイオンと炭酸水素イオンからできた塩。水によく溶け、水溶液は透明でアルカリ性を示します。粉末を加熱すると、分解されて炭酸ナトリウムと二酸化水素になります。加熱後、白いままなのに重量が減っているのはこのためです。水溶液も65℃で分解しはじめ、CO2を放出します。
- 小麦粉主成分はでんぷん質で約75%を占め、その他にタンパク質(6~13%程度)、脂質(2%)、水分(15%)、微量のビタミン、ミネラルが含まれています。水に溶けにくく、白濁します。
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