実験の手順
- ポリ塩化ビニル(以下PVC) 10gとフタル酸ジオクチル12g(14ml)を100mlビーカーにとり、 泡ができないようにガラス棒で撹拌する。
- よく混合した1.の試料に炭酸カルシウムを2g添加する。着色したい場合は、色チョークの粉を用いる。ただし炭酸カルシウムが主成分のチョークを用いること。
- これを型に入れ、150℃の乾燥機に入れ20分間加熱する。
- 20分後、ビーカーを水で冷却し、できた消しゴムを取り出してできあがり!
アドバイス
- フタル酸ジオクチルは環境モルモンの疑いがもたれている物質です。扱いには注意をしてください。
- 加熱するときに温度が高すぎたり、時間が長すぎると赤っぽく着色するおそれがありますので注意してください。。
解説
- 消しゴムの歴史 消しゴムの歴史は鉛筆の発明から始まりました。最初は消し「ゴム」などはなく、鉛筆の跡(黒鉛)を紙から取り去るのにはパンくずが使われていたそうです。いまでも絵画を描く際にキャンバスに描いたデッサンを消すのにパンくずを使う人がいますよね。ゴム(天然ゴム)を使用することが発明されたのは、18世紀のこと。そして1950年代に可塑剤で柔らかくしたプラスチックが字をよく消すことが発見され、現在ではこちらが主流になっています。
- 消しゴムのいろいろ 1)ラバー消しゴム 天然ゴム製の消しゴムです。現在では、天然ゴム製消しゴムは主流の製品ではありませんが、例えば㈱ライオン事務器からは「GAZA NON PVC」という天然ゴム使用の消しゴムが販売されています。 2)プラスチック消しゴム 市販の消しゴムのほとんどはこのプラスチック消しゴムですが、この原料はポリ塩化ビニルと可塑剤(フタル酸エステルという化学物質がよく用いられます)です。この消しゴムが長期間ほかのプラスチック製品(例えばCDのケース)に接していると可塑剤が悪影響を及ぼして、その製品を溶かしてしまいます。 使っている消しゴムがプラスチック消しゴムであればケースに記載があるはずですが、もしケースがなくても銅線があれば簡単に調べられます。加熱した銅線を消しゴムに刺して、そのあともう一度その銅線を炎の中に入れてください。緑色の炎がでれば、プラスチック消しゴムです。(銅とPVCが反応して塩化銅が生じます。これを炎に入れることにより銅の炎色反応が観察できます。) 3)砂消しゴム これもプラスチック消しゴムの1種といえます。ただプラスチック消しゴムが、文字の跡(黒鉛)をゴムに絡め取って字を消すのに対し、砂消しゴムは紙ごと文字の跡(インク)をセラミック粉などの研磨剤の力で削り取ります。
- コメント(2件)
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おばけさま
(2022/08/18)
こんにちは。
大阪の府立高校生です。
この実験を8回行いましたが、全て粉っぽくなってしまい、消しゴムにはなりませんでした。
私たちの実験手順としては、薬品の量を全て2分の1で行い、熱する時間は4分30秒〜15分のそれぞれで試しました。
また、使用した型はクッキー型と試験管です。
何か出来ない原因やコツはありますでしょうか。
使用した薬品や結果の写真は以下に添付しております。
ご回答よろしくお願いいたします。
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