実験の手順
- 過マンガン酸カリウム0.31gをはかりとり精製水で1lにする。
- シュウ酸ナトリウム0.67gをはかりとり精製水で1lにする。
- 濃硫酸25mlを水50ml中に静かに加える。
- 試料水を100ml三角フラスコにとり硫酸5mlを加えビュレットより過マンガン酸カリウムを10ml加える。
- バーナーで5分間煮沸し熱い内に別のビュレットからシュウ酸ナトリウム10mlを加える。
- 直ちに過マンガン酸カリウムで滴定し液の色がわずかに桃色になった点を終点とする。
アドバイス
- 濃硫酸は大変危険で脱水作用があるため衣服に付着すると焦げるおそれがあるので、取扱には十分注意すること。
- 硫酸を調製する際は、突沸の危険があるので必ず水の中に硫酸を入れるようにする。また、反応によって発熱するのでやけどに注意する。こぼれたときにはよく濡れた雑巾で拭く。
- 過マンガン酸カリウムは危険物第1類の酸化性固体。硫酸との混和は酸素を発生して爆発するので要注意。また、過マンガン酸カリウム溶液は手に付着すると茶色に変色する。直接触れないようにする。
- 過マンガン酸カリウムは時間が経つと分解して二酸化マンガンになるので調製後時間の経過したものは用いることができない。
- 操作5では、煮沸後、熱いまま滴定をするので、軍手をして実験する。
- 過マンガン酸カリウム消費量は試料中の有機物や酸化されやすい物質(亜硫酸イオン、第1鉄イオンなど)の量を求める事ができる。つまりこの数値が大きいほど有機物などが多いと言うことである。従って、有機物の多い水は汚染が進んでいるということなので、この数値が高いほど、汚染が進んでいると言える。
- 試料溶液中の有機物量は以下の計算式から算出される。
解説
硫酸酸性にした試料水に過マンガン酸カリウムを加えて加熱すると、試料水中の有機物など被酸化性物質は酸化され過マンガン酸カリウムが消費されます。次にシュウ酸ナトリウムを最初に添加した過マンガン酸カリウムと同量加え、被酸化性物質によって消費された過マンガン酸カリウムと反応させます。この時の反応は以下の通りです。
2MnO4-+5C2O42-+16H+→2Mn2++10CO2+8H2O
この時、消費された過マンガン酸カリウムの量だけシュウ酸ナトリウムが残ります。
最後にその残ったシュウ酸ナトリウムを過マンガン酸カリウムで滴定します。
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