実験の手順
- 時計皿に塩化コバルト六水和物を小さじ1~2杯入れ、水を15mLくらい加え、良くかき混ぜて溶かす。
- 濾紙は1箇所パンチ穴を開けておき、後で紐が通せるようにしておく。
- 塩化コバルト溶液が完全に溶けたら、濾紙を浸す。
- 溶液に浸した濾紙を、新聞紙(もしくは金網)の上で乾燥させる。
- 乾燥したら天気予報紙の出来上がり。濾紙の穴に紐を通し、壁に吊って色の変化を観察する。
アドバイス
- 塩化コバルトについて 試薬自身を吸い込んだり目に入れないように注意してください。万が一手に付いたら良く水で洗ってください。また、濾紙に付いた塩化コバルトは、水に触れると流れ出してしまうので気をつけてください。
- 天気予報日記を付ける 同じ日でも、学校の各教室やトイレ、屋外で湿度は異なるもの。色の変化について観察する時間を一定にして、翌日の天気の予測と、翌日の天気を合わせて記録しておくと、立派な観察記録が出来ると思います。
解説
- 色の変化の秘密 塩化コバルトは、水分をほとんど含まない時には青色をしていますが、一旦水分を含むと赤くなるという性質があります。したがって、湿度が上がり、空気中に含まれる水分が多くなると、その水分を濾紙が吸って、濾紙に付いていた塩化コバルトが水と接触し、赤~赤紫~青に変化するのです。また、この塩化コバルトと水の反応は可逆反応であるため、水分が抜けると、再び赤色に戻りますので、何度でも使用することが出来ます。
- 塩化コバルトとシリカゲル お菓子の中に乾燥剤として入っているシリカゲルやデシケーターに使用するシリカゲルにもこの塩化コバルトの反応が利用されています。シリカゲルは水分を吸収するために、乾燥剤として利用されたり、デシケーターに用いられますが、お菓子の袋やデシケーター内が本当に乾燥した状態なのかどうかは判断できません。また、使用しているシリカゲル自身も水分を含まず、十分に水分を吸収できる状態なのかどうかもわかりません。そこで、シリカゲルに塩化コバルトを吸着させることで、中の空気の乾燥状態を知ることが出来ると同時に、シリカゲル自身の状態が分かるようになっています。先程述べたように、この反応は何度でも利用可能であるので、デシケーターで使用するシリカゲルは、ピンク色になると乾燥機やホットプレートで加熱し、水分を飛ばすことで青色に戻り、再び使用することができるのです。
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