実験の手順
「ドライアイスの煙の正体」
- ドライアイスを適当な大きさに割り、エチルアルコール、水、サラダ油が別々に入ったペットボトルに入れて泡の出方を観察しましょう!
- ドライアイスをいれたそれぞれの液体の違いによって、液体の温度変化や煙の出方の違いも観察しましょう。
- 透明のアクリルパイプ(内径10mm、外径20mm)の中にドライアイスを入れ、ゴム栓と万力を使って両方から栓をします。
- 1分間ほど待ちましょう。栓をすると中の圧力が高まり、ドライアイスは液体に変わります。
- 万力をゆるめて、アクリルパイプ内の圧力を下げると液体が固体に変わります。
アドバイス
- ドライアイスに触るときは、低温火傷をするので軍手を使用して下さい。
- 万力を緩めるときは、ゴム栓が飛ぶときがありますので気をつけてください。
- エチルアルコールは引火しやすい液体で、蒸気は空気と爆発性混合ガスをつくり、引火爆発の危険があるので、注意しましょう。
解説
「泡の現れ方の違い」
エチルアルコール、水、サラダ油と、別々にドライアイスを入れたところ、液体の温度変化や泡の出方に違いがあります。
この違いはなぜ起こるのでしょうか?それは、それぞれの液体の持つ「粘性」や「熱容量」の違いから生じます。
まずサラダ油とエタノールで「粘性」比較すると、サラダ油の方が粘性が高いのが解ります。粘性が高いと気体も出にくくなり、液体自体の温度も下がりにくくなり、大きくゆっくりとした泡が生じます。
次にエタノールと水では、「熱容量」を比較します。「熱容量」とは、物体の温度を1℃高めるのに必要な熱量のことをいいます。一般的に熱容量が大きいほど、温度変化が小さくなります。今回用いた三つの溶液の熱容量を比較すると、サラダ油 < エチルアルコール < 水 の順で大きくなります。液体の温度が変化しやすいエチルアルコールは、温度が速く低下し、ドライアイスが温まる速度が遅くなるため、泡が小さくなります。
「二酸化炭素と物質の三態」
アクリルパイプにドライアイスを入れて、圧力をかけたところ、ドライアイスは液体になりました。二酸化炭素は、通常気体か固体のドライアイスでしか目にすることがありません。その原因は、下の二酸化炭素の状態図によって理解することが出来ます。
日常生活では、気圧が1気圧であり、その状態では固体か液体でしか存在することが出来ませんが、約6気圧以上であれば固体、液体、気体と見ることが可能なのです。
- コメント(0件)
コメント投稿はログインしてから実行してください。
コメント投稿