実験の手順
- 瓶に30%過酸化水素を30ml~50ml入れる。
- ティーバッグからお茶を抜き取り、空にしたティーバッグにティースプーンに約1/4杯の固体ヨウ化カリウムを詰め、 ティーバッグの口をひもでしっかりと縛り直す。このとき、ひもの端についている紙は外しておく。
- 瓶の首の内側にティーバッグを置く。ひもの端を手に持ったまま栓をし、ティーバッグが瓶の中の過酸化水素に浸らない位置に固定する。
- 準備が出来たら、栓をはずし、ティーバッグを過酸化水素水の中に落とす。
- 数秒後に瓶の中で発熱反応が起き、多量の酸素ガスと水蒸気が生成し、それが瓶から出てくるとき、印象的な煙になる。
アドバイス
- 30%過酸化水素の取り扱いには十分注意して下さい。
- 瓶の栓を開けるときは、必ず瓶の首を上に向け、安全な方向に向けて下さい。
- ヨウ化カリウムは、細かい粒状のものを用いて下さい。また、ヨウ化カリウムの他にも二酸化マンガンなどもこの反応に使用することが出来ます。
- 過酸化水素は、濃度が30%野母のを使用して下さい。薬局で売っている過酸化水素水(オキシドール、オキシフルという名前で販売されています。)は濃度が3%であり、この実験にはむいていません。
解説
(1)瓶の中で見られる反応
過酸化水素が分解され、酸素ガスと水蒸気が生成します。このとき、ヨウ化カリウムからのヨウ化物イオンは過酸化水素の 分解の触媒として働いています。
2H2O2 → 2H2O + O2 + 熱
上の反応は、を反応中間体として二段階で起こると考えられます。
H2O2 + I- → H2O + IO-
H2O2 + IO- → H2O + O2 + I-
(2)身近にみられる過酸化水素の分解
過酸化水素は不安定であり、金属塩、金属結晶などと接触すると爆発的に分解され、酸素を生じる性質があります。薬局で売っている濃度3%の過酸化水素水はオキシドールやオキシフルと呼ばれて消毒剤として用いられていますが、このような 性質を利用したものです。これを傷口に掛けるとブクブク泡がでてくるのは、血液中にカタラーゼという過酸化水素分解酵素 が含まれておあり、これが触媒として機能しているためです。
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