用語・実験器具解説集
酸性
溶液の性質を表す語句で、pHの値が1〜7未満の溶液を指します。この溶液では、水素イオン(H+)が水酸化物イオン(OH-)よりも多く存在しています。
→関連用語:pH、酸性度、塩基性、アルカリ性
pH
水溶液中の酸性、アルカリ性の強さを表す指標で、pH1~pH14までで表わされます。この値は水素イオンの濃度により決まり、pHが低い方が酸性、高い方がアルカリ性の溶液を指します。また、酸性度とも呼ばれています。
→関連用語:塩基性、アルカリ性、酸性
酸性度
「pH」をご覧ください。
アルカリ性
「塩基性」をご覧ください。
塩基性
溶液の性質を表す語句で、pHの値が7よりも大きく14以下の溶液を指します。この溶液では、水酸化物イオン(OH-)が水素イオン(H+)よりも多く存在しています。
飽和・飽和溶液・飽和状態
溶液に物質が溶ける限界量まで溶けている状態のことです。
→関連用語:溶解度、過飽和
過飽和
溶液に物質が溶ける限界量以上に溶け込んでいる状態です。過剰分は外部からの刺激によってすぐに結晶として析出し、飽和状態に戻ろうとする性質があります。
→関連用語:飽和、溶解度、再結晶
酸化・酸化型・酸化剤
対象とする物質が電子を失う化学反応のことを酸化といいます。具体的には、物質に酸素が化合する反応や、物質が水素を奪われる反応があります。このとき、酸化された物質のことを酸化型といいます。 また、酸化剤とは、反応する相手の物質を酸化させる物質のことで、自らは還元されます。
→関連用語:還元・還元剤・還元型
還元・還元型・還元剤
対象とする物質が電子を受け取ったり、原子の形式酸化数が小さくなる化学反応のことを還元といいます。具体的には、物質から酸素が奪われる反応や、物質が水素と化合する反応等があります。このとき、還元された物質のことを還元型といいます。 また、還元剤とは、反応する相手の物質から酸素を奪う、つまり還元させる物質のことで、自らは酸化されます。
→関連用語:酸化・酸化剤・酸化型
イオン
物質には溶液に溶けると電離し、電荷を持った粒子になるものがあります。この電荷を持った粒子のことをイオンといいます。 正(+:プラス)の電荷を持ったイオンを陽イオン、負(-:マイナス)の電荷を持ったイオンのことを陰イオンといいます。また、イオンに電離しない物質のことを非イオンといいます。
→関連用語:イオン化傾向
触媒
化学反応を促進させる物質です。反応の前後で、触媒自身は変化しないので、通常、反応式には書きません。
界面
均一な液体や固体の相が他の均一な相と接している境界面のことです。
→関連用語:界面活性剤
界面活性剤
分子中に水になじみやすい部分(親水基)と油になじみやすい部分(親油基 ・ 疎水基)を持った化合物です。洗剤にも含まれており、汚れを包み込んで繊維から引き離す役割を持っています。
→関連用語:界面
中和
酸性の物質と塩基性の物質が触れ合ったときに起こり、これによって酸性の性質と塩基性の性質が打ち消されます。このとき、酸が放出する水素イオン(H+)と塩基が放出する水酸化物イオン(OH-)が反応して、水(H2O)ができます。
→関連用語:酸性、塩基性、アルカリ性、イオン
滴定
溶液の濃度を求めることのできる操作です。既に濃度が分かっている溶液と濃度を求めたい溶液(濃度が未知のもの)が過不足なく反応する量(終点)を調べることで、未知の濃度を求めます。 指示薬等を用いた色の変化を利用して終点を視覚的に捉える手法が一般的です。 操作にはビュレットという器具を用い、一方の溶液を滴下し、反応に必要な溶液の量を調べます。 代表的な滴定として、中和反応を利用した中和滴定があります。
終点
「滴定」をご覧ください。
酵素
生体内に存在し、様々な化学反応の触媒として働くタンパク質のことです。酵素の作用は選択的であり、特定の化学反応の触媒としてしか働かないので、不純物などが混じっていても、目的の反応を行うことができるため、工業的にも多方面で利用されています。また、その働きを終え、役割を果たした活性を失うことを失活といいます。
→関連用語:触媒
塩(えん)
陰イオンと陽イオンからできた物質です。化学式NaClで表される「塩(しお)」と表記は同じですが、実はこの「塩(しお)」も「塩(えん)」の一種です。
→関連用語:イオン、金属塩
金属塩(えん)
塩は陰イオンと陽イオンからなる物質ですが、そのうちの陽イオンが金属イオンである塩のことです。
→関連用語:イオン、塩
pH指示薬
溶液に加えることで、その溶液が酸性、アルカリ性であるかを目で見て確認することのできる試薬です。
→関連用語:滴定、酸性、塩基性、アルカリ性
昇華
固体から液体にならずに、直接気体になる現象のことです。
潮解性
空気中の水分を吸収して溶けてしまう性質のことです。この性質のある物質は、密閉し、かつ湿度が少ない環境で保存する必要があります。
炎色反応
金属を炎の中で加熱したとき、その物質特有の色が出る反応です。例えば、カルシウムを炎の中で加熱するとオレンジ色、銅を炎の中で加熱すると緑色の炎が見られます。花火の鮮やかな色は、この反応を利用して作られています。
金属キレート
キレートという言葉は、ギリシャ語の「カニの爪」に由来しており、その名前の通り、分子の立体構造によって生まれた隙間に金属イオンが挟み込まれることで複合体を作り上げている状態あるいは分子のことを指します。血液中に含まれるヘモグロビン(赤色の色素)や葉緑素も金属キレートの一種です。
→関連用語:錯体
重合反応
ある物質(単量体(モノマー))が一つ一つ連結していくことで次第に大きな分子量の物質(重合体(ポリマー))を作り上げていく反応のことを指します。ナイロンやプラスチックもこの反応により作り上げられています。
錯体
一つ以上の分子と金属イオンが、配位結合や水素結合して形成された分子複合体のことをいいます。ヘモグロビンや葉緑素など生理的に重要な金属キレート化合物も錯体です。
→関連用語:金属キレート
有機溶媒(有機溶剤)
固体、液体あるいは気体を溶かす液体のことを溶媒といいます。工業分野では溶剤と呼ばれることも多くあります。 有機溶媒(有機溶剤)には、アルコールやアセトン、ヘキサンなどがあります。
→関連用語:無機溶媒(無機溶剤)
無機溶媒(無機溶剤)
固体、液体あるいは気体を溶かす液体のことを溶媒といいます。工業分野では溶剤と呼ばれることも多くあります。無機溶媒(無機溶剤)は、有機溶媒(有機溶剤)以外の溶媒で、水あるいは無機化合物の液体がそれにあたります。
→関連用語:有機溶媒(有機溶剤)
電気分解
水溶液や融解させた塩(えん)に電流を流すことでそれらの物質を分解することです。電気を通す水溶液や融解した塩(えん)に2本の電極を入れ、外部から電圧をかけることで、電極で化学反応を起こさせます。
→関連用語:陰極、陽極、塩
陽極
電気分解の際に水溶液あるいは融解させた塩(えん)に差し込んだ電極の、直流電源のプラス側の電極を言います。別名、アノードとも呼ばれます。
→関連用語:電気分解、陰極
陰極
電気分解の際に水溶液あるいは融解させた塩(えん)に差し込んだ電極の、直流電源のマイナス側の電極を言います。別名、カソードとも呼ばれます。
→関連用語:電気分解、陽極