2011.07.13
さてさて、学生たちが自分の将来像を見据え、新たな一歩を踏み出したこの日、私アビーとチャッピー先生は、兵庫県立西脇工業高校にて出張実験会を実施してきました。この実験会は本高校の先生のご要望で、同校1年生を対象に行ったものであり、実は今年も先週の木曜日にも同校で実施。兵庫県立西脇工業高校では、かれこれ平成20年から4年連続で実施させていただいています。平成21年度に私アビーはすくろーす先生と共に対応したのですが、実はその時参加された生徒さんは今は高校三年生。そのときの出会いがきっかけとなり、現在高校卒業後の進路として、化学者への道を歩み出されようとしています。化学の楽しさ、そして身近さ、化学者として働くことの意義について知っていただきたいという目的で実施している実験会ですから、このような結果は私たちにとって大変嬉しいことです。今日出会う生徒さん達の中でも、このようなご縁がないかなぁと期待しながらの出張となりました。
まずは実験の前に、化学やバイオがいかに世の中の役に立っているか、そして身近で重要な存在であるかということを分かっていただくため、化学講演を行いました。生徒の皆さんはたまに頷きながら真剣な顔で聞いました。
そうして講演が終了した後は、みんなのお待ちかねの実験です。実験の内容は「科学捜査 その1 ~指紋の検出~」「科学捜査 その2 ~血痕検出~」「ジュースからDNAを取り出そう」「納豆で秘密の手紙を書こう!」の4本立てでした。今までに行ったことのない実験ばかりだったようで、みんな本当に楽しそうにイキイキと実験をしながらも、「先生!これこうしたらどうなるんですかぁ?」といった積極的な質問も受ける場面もありました。こうした興味関心が、向学心に発展し、伸びていくんですよね~。
実験を仕事にする化学者にとって、その適性は、「実験を楽しいと思えること!」。実験を楽しいと思い、実験を通して好奇心を持ち、化学でこんなことがしてみたい、あんなことがしてみたい、と思えることです。
実験会終了後、生徒さんに無記名のアンケートを取らせていただき、実験会の感想をお伺いすると、
・化学は実は楽しいんだと分かった!化学者ってすごい。
・化学で誰もしたことがないような、全く新しいことをしてみたい。
・全部の実験がすごく新鮮で感動した。もっと実験がしたいって思った。
・化学はとても身近で、私たちの生活を支えてくれているんだと分かった。知ることができて良かった。
・世の中にはまだまだ知らないことがたくさんある。もっともっと知りたい!と思った。
・この地球をもっと自分の手できれいにしたいと思った。
などと、化学を楽しみ、感動し、さまざまな思いを膨らませていただくことができたようです。今日いた生徒さんに、なぜ工業化学科に進もうと思ったの?と聞くと、「デザインに興味があって、その素材のことを詳しく知りたいな、と思ったのがきっかけだったんです。」「化学のことは正直よくわかっていなかったけど、これを勉強することはとても大切なことなんじゃないかなって思ったんです。」「化学はまだ授業が始まったばかりだけど、これからいろんな可能性を探ってみたいです。」などと話してくれました。彼らが将来化学者としてのスタートラインに立つかどうかはまだ未定。しかし、下の写真を見てください。2日間の実験会でもらった、最高の笑顔!
この笑顔こそが、彼らが化学を楽しんだ証であり、私たちにとっては大変嬉しいプレゼント、そして見た人に元気を与えるもとになります。教室を後にするときには多くの生徒さんが、「ありがとうございました!気を付けて!」と明るい笑顔で見送ってくれました。こちらこそ、本当にどうもありがとうございました。またお会いできることを、楽しみにしています。
byアビー