動植物の細胞の研究を進める上で、DNAの分析技術は非常に有用ですが、一般に広く使用されるDNAの分析試薬は、非常に高価であるため分析コストがかかってしまいます。そこで本研究では、抗がん剤として安価で大量に生産され、DNAの二重らせん構造にのみ選択的に結合するアドリアマイシンに注目し、DNAの分析試薬として活用すべく研究を進めました。アドリアマイシンは分析試薬としての基礎的な分析化学的データが乏しいため、まずは1分子のアドリアマイシンがどのようにDNA塩基対と結合するのか、その結合比を測定しました。このような基礎研究を重ねることは、より安価で安全な分子生物学的な実験を実現するために貢献することができると考えます。
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