2005.11.29
今日は生命バイオ学科1年生の「定量分析実験」で、私の担当は「鉄の重量分析」でした。第1日目の今日は、まずは溶液中に含まれている鉄イオンを水酸化物の沈殿にし、それを回収するところまでを行いました。
沈殿は濾過によって回収するのですが、その時のポイントとなるのが、『液柱』なるものを作ることです。液柱とは、ロートの足の部分に、ろ液が一部もしくは全体に満たされている状態のことを言います。この液柱ができれば、濾過速度は格段にアップし、その速度は、足の部分全体が満たされているときに最大となります。
この液柱づくりに、Y君、Oさん、Iさん、Aさん、W君・・・と多くの学生が挑み、濾過選手権並みにヒートアップしていました。(^^) 最終的に、今日一番の出来はSさん作の液柱で、その驚異的な濾過スピードに学生達は大変驚いた様子でした。(写真をご覧下さい。ロートの足の部分のほぼ全体がろ液で満たされています!やるね!)
実験には「○○の中の○○の定量」などといった大きな目的が当然ありますが、また別の側面では、一つ一つの細かい実験操作を、自然に、より上手く使いこなせるようになることも大切な目的だと思いますし、使用器具の最大限のパワーを引き出すことも、実験の醍醐味だと思います。
濾過は重量分析だけでなく、多くの実験で出てくる超基本操作です。今後も果敢にチャレンジして欲しいと思いました。
何はともあれ、諦めずに最後の最後まで一生懸命練習していた彼らの真摯な姿に、顔がほころぶ一日でした。
byすくろーす