2007.09.30
今週は、化学分析コース1年生の「定量分析実験」そして「機器分析法I」を担当しました。
定量分析実験では、オキシン法によるアルミニウムの重量分析と、鉄の重量分析について取り組みました。私が担当したのはアルミニウムの重量分析法。アルミニウムは地球表面に多く存在する元素のひとつで、金属を分析するのが得意な原子吸光光度計の他、ICP質量分析計や分光蛍光光度計でも分析できます。今回は、オキシン(8-キノリノール)でアルミニウムの沈殿を作り、グラスフィルターでろ過、乾燥させて、精密天秤で重量を測定しました。
今回は、理論値との絶対誤差が0.5%未満の学生もおり、非常に精度の高い実験であったと思います。(写真は測定後のグラスフィルター。フィルター内の黄色い物体がアルミニウムとオキシンの沈殿です。)事前のガイダンスで、原理と実験操作のコツを説明したとはいえ、着実に上達しています。
機器分析法Iでは、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)について学んでいます。HPLCは求人票などでも「HPLC経験者求む」などと記載させるほど経験を要求される装置で、医薬品や食品の分析の他、環境分析の分野でも重宝されます。私も海の分析で専門に使用した経緯があり、得意な装置のひとつです。自分の経験を全て伝えようとついつい全力投球になってしまいます。秋風が吹き始めているのも関わらず、授業で汗だくになってしまいました。
化学分析コースは土日のみのコースですので、平日は某医薬品メーカーや有名家電メーカー、食品メーカー、計量証明事業所等に勤務し、HPLCを仕事で用いている学生達も在籍しています。仕事で使っているからこそ、困ったときにすぐに解決出来るようになるために、改めて原理や仕組みを学びたくなるのですね。(卒業後に分析方法や問題解決の相談をメールや電話でしてくる者もおります。毎日の様に長文のメールが卒業生から届いたときは流石に参りましたが、課題が解決したと聞いたときは嬉しかったです!)遠慮せず疑問や質問を投げかけて欲しいですね。
もちろん、本校で初めて学ぶ学生も多数おります。授業や実験で繰り返して学ぶことにより、それぞれが自分自身を高めていって欲しいと思います。
by 英国チャレンジャー号