2007.10.07
化学分析コースでも「卒業研究」が始まりました。
私が担当するテーマは「植物プランクトンによるヒ素化学種の形態変化に関する研究」です。天然水中のヒ素には、猛毒で有名な亜ヒ酸やヒ酸の無機ヒ素化合物の他、様々な有機ヒ素化合物が存在します。ヒ素は毒物の代表の様に言われますが、実は私達の血液からも微量ながら検出され、微量生物必須元素の可能性も示唆されています。私達の過去の研究では、植物プランクトンが光合成を行う際に、亜ヒ酸を毒性の低いヒ素化合物に形態を変化させている可能性があることが判っており、引き続き検証を行っていく予定です。
今日は、光合成のモデル生物として使われる、植物プランクトンのボルボックスを培養する為の培養液や分析に必要な試薬を調製しました。(写真はボルボックスを培養している様子です。)来週からは、実際に様々なヒ素を添加した培養液で植物プランクトンを育て、実際にヒ素がどの程度形態を変化させているのかを知るために、ヒ素化学種の分別定量法や、光合成色素の成分であるクロロフィル類を分別定量する方法をマスターしていきます。
微量分析の世界では経験を要求されますが、これから最短の時間でマスターして貰います!
by 英国チャレンジャー号