2007.10.11
分子は、目に見えないほど非常に小さな物です。直接眼で見ることが出来ないので分子の形は、いろいろな分析装置の出力を手がかりとして推定します。
今日の授業では、有機テクノロジー学科の「有機構造解析2」を担当いたしました。この授業では、質量スペクトル(MS)、赤外吸収スペクトル(IR)、核磁気共鳴スペクトル(NMR)という各種分析装置が出力するスペクトルのグラフを読んで分子の形を調べる方法を学びます。
スペクトルのグラフを読む力は、教科書を読み授業を聞くだけでは身に付きません。実験技術を学ぶのと同じですね。そのため実際のグラフを読んで、学生自身が分子の形を考えることに時間を割いています。
それぞれ単独のスペクトルは、分子の形を決める特徴の一部の情報しか知ることができません。これを組み合わせることで分子の形を知ることができます。学生は、それぞれのグラフが示す分子の特徴を手がかりとして、それらの特徴を矛盾なく全て説明できる分子の形を段々と推定してゆきます。
ぱっと見るとそれぞれどんな事を意味しているか分からない複雑なグラフも、一歩ずつ自分で考え、時には相談しながら考え、最後には「これだ!」という分子の形に辿り着いた時の学生は、犯人を見つけた探偵のように自信満々です。
by めざせ!関西人