2007.10.13
今日の化学分析コースでは1年生は定性分析実験、2年生は卒業研究と実験室は大賑わいでした。私は1年生の定性分析実験の担当で、3族に分類される金属毎の確認反応実験とそれらの金属を混合した溶液から各金属を分離する実験を行いました。3族の金属はAl、Fe、Cr、Ti、Zrですが、特にTi(チタン)はうまく操作しないと検出しにくい金属の一つです。各グループとも分離実験では他の金属は容易に検出しましたがTiは相当手こずったようで、検出できなかったグループも何グループかでました。
これは分離操作の際に的確に分離できなかったことが原因で、金属によっては分離後の含有量が低いと確認の反応が現れにくいためです。その辺りを検出できなかったグループはよく操作の再確認をしていました。実験ではこれが大切です。このことを直ぐに実行し再度確認することが出来ようになったことは、「実験」の本質を理解できている証拠です。
ところで、実験中にひょっこり懐かしい顔が現れました。8期卒業のN君でした。アビー先生が案内してきてくれたのですが、卒業してから十数年会っていなかったのにもかかわらず卒業時とほとんど変わっていなかったのには驚きました。むしろ彼の方が私の変貌ぶりに一瞬戸惑っていたようでした。
現在は某金属関連企業で分析の係長をいているとのことで、定性分析実験を懐かしそうに見学してくれました。また、彼が在学中に使用した機器がほとんど新しくなっていたり、ICP-MSという超微量分析装置が設置されているなど実験室の最新化がうらやましかったようです。その後彼から今携わっている金属微量分析に関して質問を受けるなど熱く、楽しく語らいました。ほんとにOBが尋ねてくれるのは嬉しいことです。N君もますます頑張って欲しいものです。
by トトロ