2007.12.04
今日は2年生の卒業研究の担当の日でした。私の担当している班は2班あるのですが、虫歯菌とニキビ菌のいずれにも抗菌性のある薬味(柑橘類)に関する研究を行っています。
このような微生物の研究を行うためになくてはならないのが『培地』です。培地は微生物を育てる栄養源のようなものですが、私たちの食事と同様、微生物にも培地に好き嫌いがあります。つまり、微生物によっては上手く育つ培地とそうでない培地があります。このような微生物の好みを知ることは微生物の研究をする上で大変重要なことです。
しかしながら、微生物はたまに我々の想像を超える挙動を示します。特に虫歯菌に対する抗菌性に関する研究では、培地成分の違いによって、柑橘類の抗菌性順位に違いが生じてしまうので、何故そうなるのかという「謎」に直面しています。現在高視聴率を誇っているテレビ番組で登場する「ガ○レオ先生」のように謎がすぐに解明されるわけではないので、「実に面白い」といいながらも、事実に裏付けされた想像力で一つ一つの可能性を確認していく必要があります。つまり、このような謎が生じたときほど研究者としての本領が発揮されるのです。
謎はまだ未解明ですが、これから学生といろいろなディスカッションをしながら想像力を働かせ、その真相に近づきたいと思っています。
左の写真はニキビ菌の大好物の培地を作っているところです。今回用いている培地は独特の香りがするので、他学科の学生からは、一体何が入っているのか良く聞かれることがあります。
byすくろーす