2007.12.11
今日は卒業研究を担当しました。私が担当している2班は有機テクノロジー学科の学生です。1班は人体で医薬品を副作用なく効率的に効かせるためのシステムの開発であり、現在はソフトコンタクトレンズに使用する有機化合物にモデル薬物を含有させて固める実験方法を検討しています。有機化合物を固めるのに紫外線ランプを使用して紫外線を照射しているのですが、実験開始当初は紫外線照射力が強かったランプも時間が経つにつれて照射力が弱まっており、有機化合物が固まりにくくなっています。そのため、実験が進まなくなっており学生達は頭を抱えています。本日はそれを打開するために有機化合物に含まれている安定剤(重合禁止剤)を蒸留操作により除去する方法を検討したのですが、沸点が高いため通常の蒸留温度では除去することが出来ませんでした。今日の実験はこのため失敗に終わりましたが、次回までに除去方法を再検討する必要があります。学生達は色々と方法を考えどこに問題があるのかを試行錯誤して2年間の集大成を作り上げようとしています。開発や研究の現場では問題点に気づきその問題点を打破するために様々な知識や技術を投入してクリアして行かなければなりません。イメージ通りに進む研究も良いですが、今回のように色々な所に頭をぶつけながら進めていく研究は簡単に進めるものよりも問題を乗り越えたときにたくさんの力を身につける事が出来ますので、ここを正念場として頑張って欲しいと思います。
by バッテン