2007.12.27
明日で本校の年内業務は終了します。今日は夏冬恒例の、全教職員による大掃除の日。私も朝からジャージ姿で、担当箇所の清掃にあたりました。普段掃除をしないところでも、今日は床に這いつくばりながら手を伸ばします。すると、普段当たり前のように視界に入る光景が新鮮に見えてきます。
たとえば上の写真。日本人に初めて化学を教えたオランダ人・ハラタマ先生の胸像の後方から本校の正面玄関を見たところ。先生に謝りながらも頭の上から玄関を見ると、毎日登下校していく化学やバイオを学ぶ学生を、こうして見守ってくれているのかと実感します。おそらく、自分が日本で広めた化学を、若者が学んでいる姿を見ながら喜んでいただいていることでしょう。
これは、月と火星の土のレプリカです。レプリカといっても、スペースシャトルの研究のために、近いと思われる成分で作ったもの。実際にNASAの研究員であるアメリカの教授から頂いたものです。
ほかにも、大正時代から使われていたという年代物の化学てんびんなどもありますので、ちょっとした博物館気分で機会があればぜひ見学にお越し下さい。
さて、今年も色々ありましたが、いつもの年と違うという点で申し上げると、とにかく、取材依頼やメディアで取り上げられることの多い一年でした。昨日もアビー先生の日記のとおり、本校の学生環境委員会による「道頓堀川の水質調査」が取り上げられています。それ以外にも、事件に関連した血液反応や、食やにおいなど生活に関する調査依頼などがありました。振り返ってみると、「偽」という今年の漢字に象徴されるように、食品偽装を始めとして「本当に大丈夫か?」といった気持ちになってしまう一年でもありました。
私たちのような学校が注目される、イコール「分析」のニーズが高まるということは、「分析しなければ信用できない」という側面があることも事実であり、取材依頼が多かったということはあまり喜ばしくないのかもしれません・・・。しかし、社会の安定のために「分析化学」は欠かせない技術であります。こうした社会的使命も心に感じながら、来年も学生指導にあたってまいります。
このブログをご愛読いただきました皆様、今年もお付き合いいただき、本当にありがとうございました。また来年もよろしくお願いいたします。良いお年をお迎え下さい!
by かりめろ