2008.06.29
化学分析コース1年生、今日の午後の授業は基礎化学実験です。基礎的な化学の実験を通して、化学反応や分析手法に関する基本的な知識と技術を身につけてもらう授業です。本校は化学の学校ですが、「化学が得意ではなく、化学実験の経験は全くない」という人も、たくさん入学してきています。そういう人にとっては、この授業は初めての化学実験となるわけで、少し不安はありますが、皆、ワクワクしながら実験に臨んでいます。
実験では、たくさんの薬品や機器を使いますが、その製造番号は必ず各人の実験ノートに記録します。これは大切なことで、通常と異なる実験結果になったとき、その原因を調べる際などに、とても役立ちます。
しかし、実験経験のない学生にとっては、機器の製造番号といわれても、最初のうちは何のことか分かりません。不思議そうな顔をしていると、隣の学生が声を掛けました。
「製造番号いうんは、製品ひとつひとつに付けられる番号やねん。シリアル番号、シリアルナンバーと言われることもあって、S/Nの記号で書いてることもあんねん。携帯電話にもあるわ」
この説明を聞いた学生は、さっそく携帯電話の製造番号表示を探し、製造番号が何なのかを理解できたようです。分析機器の製造番号というと何やら堅苦しそうですが、携帯電話で説明されたされたことで、身近なものに感じられ、すぐに理解できたようです。
本校には色々な人が入学してきます。化学が得意な人もいれば、苦手な人もいます。実験経験が多い人もいれば、ゼロの人もいます。その色々な人が協力し合って一つの実験を行ないます。互いに協力し合い、教え合うことで、単なる化学の知識だけではなく、コミュニケーション能力や協調性なども身につきます。実験を通して、学生の皆さんは、人間的にもどんどん成長しているようです。
本校の実験で得た大切なもの。今後の人生で大いに活かしてください!
by水の都