2008.12.09
今日は2年生の卒業研究担当日でした。この日記でも連日各先生方から報告がありますが、各班でさまざまなテーマに取り組んでいます。今日はその中でも、海藻を用いた研究を行っているチームを紹介したいと思います。
このチームは、せんぱい先生が担当されているのですが、テーマは「海藻を利用した金属吸着の研究」です。化学工場などから排出される工業廃水には、たくさんの有害な金属が含まれていますが、その金属を取り除くために工場内で化学的な処理が施されています。そこで、その金属除去・回収を化学物質を使わずに海藻を用いて出来ないかどうかをこのチームでは研究しています。
先日の中間発表で彼らに多くの質問をしたこともあり、私自身大変興味があったので、せんぱい先生と資源分析化学科のO君やS君がディスカッションしているところにちょこっと参加させていただきました。彼ら曰く、「実験結果が一通りそろったので、データのまとめをすれば、今の段階で卒業論文や研究発表は行える」ということでしたが、実験日がまだあるので、その中で出来る研究内容について議論をしていました。しかしながら実験で確認したい事柄はたくさんあるので、どれから手をつけようか、またどれから手をつけたらよいのか、自分の考えやさまざまな文献から得た情報も踏まえて、かなり実のある議論を学生が私たち教員と対等に行っており、彼らの担当教員でないにもかかわらず、私も思わず力が入りました。
このように卒業研究は、先生から与えられるものではなく、自分たちで研究の方向性を考え、壁にぶち当たったら多くの文献で自らその研究に関する知識を得、そして自分たちで解決の糸口を探るというのが研究の醍醐味であると思います。そのために教員はさまざまな助言をしていくのですが、学生が本気モードになると、自ずと教員も熱くなるのです。これは、社会に出ても大変重要なことで、自分自身が熱い思いを持って打ち込んでいれば、徐々に周りの人たちが自分に興味関心を抱いてくれ、先輩や同僚からさまざまな助言を自然といただくことができます。また、先輩はこういう後輩を見ると、いろんな協力をしてやりたくなるというのが心情です。研究できる時間はあと少しですが、一社会人としての仕事に対する取り組み方の大切さをこれからも十分に体感してほしいと思いました。
byすくろーす