2008.12.22
今日で年内の授業が、すべて終了しました。
私の授業は、担任をしている有機テクノロジー学科2年の「有機合成化学」でした。多くの授業は、化合物AとBが反応するとどんな新しい化合物ができるかを勉強しますが、「有機合成化学」では逆に目的の化合物を合成するには化合物AとBが必要という逆合成を勉強します。パズル的な要素がある授業です。
有名な有機化学の反応を復習しながら、始めは単純な化合物だったのですが、実際に医薬品の合成に使われる途中の化合物まで合成方法の例題にするまで進歩しました。将来、卒業生が考えた方法で作られたジェネリック医薬品だと自慢するのが夢です。
さて、格段の進歩といえば、1年生です。
1年生の授業は、本校の特徴でもある分析機器実験でした。
本校の体験入学では、本校にある分析機器の一部を見学してもらっています。入学後に学生に聞いた話ですが... 体験入学でそれらの分析機器を見た時は、使えるようになるか不安になったそうです。しかし、今日の実験の様子をみると操作に不安な様子は微塵も見られませんでした。嬉々と分析機器を使って実験をしていました。もう今では本校にある分析機器の使い方は、全てマスターしてしまっています。
ここまでマスターできたのは、実験を通して技術をホントの基礎から学ぶとともに、平行して授業ではそれぞれの分析機器の原理も基礎からしっかりと勉強するからだと思います。そのため、実験では、ただ技術を学ぶのでなく、授業で学んだ原理が実現される様子を頭に浮かべながら操作することで、この操作がなぜ必要なのか、どこに注意する必要があるか理解して使い方をマスターできます。実験と授業の相乗効果ですね。
2年生の卒業研究は、分析技術を実践する場です。
卒業研究では、当初の予定通りに実験が進まないことは日常茶飯事です。特に中間発表の後は、予定にない新しい分析をする必要を指摘されたり。
普通でしたら、新しい分析をするためには分析機器の使い方をまずは勉強しなければなりません。それだけですぐ時間がたってしまいます。しかし本校の学生は、1年生で分析機器の使い方を全てマスターしているので、使い方を勉強するロスタイム無しにすぐに新しい分析に取り掛かれます。たとえば、H田君のグループは、HPLC(液体高速クロマトグラフィー)を使う予定はなかったのですが、必要な試薬があることを確認するとすぐに分析に取り掛かっていました。
写真は、授業後に行われた大掃除です。
9月からの4ヶ月はあっという間でした。気持ち的には短い時間でしたが、学生はその時間の分だけそれぞれ成長しています。その時間を過ごさせてもらった校舎を全員で分担して隅々まで掃除しました。
by めざせ!関西人(明日は祝日ですので、ブログはお休みです。)