2009.07.16
今日は、生命バイオ分析学科2年生のバイオ化学実験の日で、私の担当テーマは「大腸菌の資化性試験および世代時間」に関する実験でした。「資化性」というのは微生物の好み。簡単に言うと、どんな栄養源を好み、増殖していくかということです。また、「世代時間」というのは1つの微生物の細胞が誕生してから次の細胞に分裂するまでに要する時間のことです。つまり、世代時間が短いものは分裂する速度が速く、増殖が速いものということになります。(写真左は大腸菌の電子顕微鏡観察図、写真左は大腸菌を染色した後顕微鏡観察した図)
実験では、異なる栄養源で大腸菌を培養しつつ、その増殖状態を分析していきます。実験終了後に描いたグラフによって、大腸菌がどの栄養源を好むかが分かります。
また、得られた実験結果をもとに、理論通りの結果になっているのか?そうでないのか?について、学生たちにディスカッションをさせました。ディスカッションでは、それまでの「分子生物学」や「微生物学」、「生物化学」などの授業で学んだ大腸菌の遺伝子の仕組みや、異なる栄養源の代謝方法をもとに、自分なりの考えを考えるように指導しました。
これまで行ってきた実験は、カリキュラムとして組み込まれている実験であったので、実験の進め方などはある程度決まった時間と内容で進めてきましたが、9月から彼らが取り組む卒業研究はそのようにうまくはいきません。そうした時に、各自が実験結果をもとに次にどのような結果が出るかを想像し、計画の軌道修正を図ることが大切になってきます。その訓練として、彼らにとっては今日のディスカッションは有用な時間だったと思います。
さて、実験が終わって彼らの教室にちょっとお邪魔すると、壁に何やらにぎやかなものが貼ってあるではありませんか。近くまで見ると、この間の分化祭の写真集でした。学生に聞くと、このクラスのO君が分化祭の日に撮影した写真をピックアップして1枚の写真集に編集したとのこと。こうして1枚で分化祭全体が振り返ることができるので、とってもいいものを見させていただきました。本当に楽しい分化祭でしたから・・・。今年ご来場いただいた皆様、この場をお借りしてお礼を申し上げます。また来年も来てくださいね。
byすくろーす