2009.07.19
今日、化学分析コース2年生は定量分析の実技テストを行いました。私はその試験監督をしましたので、その様子をご紹介しましょう。
実技テストは年に1回行われます。2年生も1年生の後期に1回行っており、今回は2回目となります。2回目と言っても3種類の実技テストがあります。定量分析が2種類と定性分析です。今日はその最初のテストの日でした。
テストの課題は、濃度未知のフェノール溶液中のフェノール量の定量です。フェノールを一定過剰量の臭素で臭素化して、反応しないで残った臭素をチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定して、間接的にフェノール量を求める方法で行いました。
2年生になってからは機器分析実験ばかり行っており、ビュレットを使う定量実験は久しぶりですし、この実験は1年生の時には経験したことがないのです。ですから事前に実技のガイダンスを行い、操作方法や反応理論を説明していますが、正直なところ実施にあたっては私自身少々どの程度出来るか不安でもありました。もちろんいきなりテスト!というわけではなく、一度練習実験を午前中に体験し、午後からテストとなります。テストですから勿論持ち込みは一切無しです。練習実験が終わって感想を聞くと、「反応理論や各溶液をどれだけの量を計り取ればよいかは十分分かっているのですが、久しぶりの定量実験なので手が震えて凄く緊張しました。」と実験を振り返っていました。しかし、むしろ楽しんでいたようさえ思えた実験風景でした。
さて、午後の実技テスト本番はというと、練習実験とは別人のように真剣取り組んでおり、実験時間2時間45分のところ、ほとんどの学生が2時間以内に終了していました。また求められた実験値もほとんど一致していましたので、その滴定操作の正確さが証明されたといっていいと思います。ここでちょっと気づいたことは、実験操作が早い人とそうでない人との差の原因に、滴定に使用する各種溶液をいかに整理して自分の実験テーブルに並べているかでした。やはり雑に置いていると計り取るのに手間取ったり、取り間違えをしたりしていました。良い意味での要領のよさは化学実験にとって必要ですね。さあ、まだ2種類の実技テストが残っています。頑張ってアタックしてください!
明日は祝日(海の日)ですので、「せんせのブログ」はお休みです。
by トトロ