せんせのブログ

星に願いを

2009.12.14

今日も二年生は卒業研究の日です。
今年の授業も残すところ二週間となり、みんなラストスパートに入っているようです。

こちらの装置、丸底フラスコの中の液体と手前の黒っぽい液体はポコポコ沸き立っているし、三角フラスコの中には何やら怪しげな色の液体がポタポタと...「いかにも化学っぽい」でしょ。
f:id:bunseki:20091214131036j:image

といっても、もちろん怪しい薬品を作っているとかではありませんよ。(^^;
この装置は、物質中の窒素の量を測定するためのKjeldahl(ケルダールと読みます)法という分析法のための装置です。試料の中のタンパク質やアミノ酸、アンモニウム塩などの窒素を硫酸と反応させ硫酸アンモニウムにした後、アルカリ性にして加熱蒸留するとアンモニアを発生します。これを回収して滴定することにより、試料中の窒素含有量がわかる、という方法です。この装置ではアンモニアを蒸留し回収しているのです。

さて、こちらではアビー先生が何やらやっていますね。何をやっているのですか?
f:id:bunseki:20091214131238j:image

聞いたところによると、コレステロールの実験をしているのですが、空気と触れると良くないので、乾燥窒素を吹き込んで試料を乾燥させているそうです。タンパク質や酵素など熱をかけたくない試料溶液を乾燥させたい場合、冷凍させて乾燥させる凍結乾燥という方法もありますが、少量・少数の液体試料の場合ならこのように乾燥窒素を吹き込んで試料を乾燥させる方法も使われることがあります。この方法は空気との接触を嫌う試料にもこのように使うことが出来ます。

このように、大型の自動的な測定機器を使うだけでなく、人の手をかけた分析法や実験操作についても身につけることが出来ます。また、操作について勉強するだけでなく、教員にコツを「伝授」されることもあり、実際に応用してみることも出来るんです。

このようにして短期間で知識や経験を蓄えることで、分析化学者としての力をつけていくことが出来ます。


そういえば、昨日今日の夜はふたご座流星群が見えるそうですね。

f:id:bunseki:20091214180150j:image
本校付近はこのように夜でも明るいので見えにくいですが、
もし見えたらどんなお願い事をしましょうか。
「皆さん無事に卒業して、立派な社会人になれますように」☆ミ

by 八兵衛