2009.12.18
今日は北からの寒気の影響で、大阪もこの冬一番の寒さでした。外は厳冬、しかし本校の中ではそんなことはお構いなし、いつも通り実験が行われています。本日は資源分析科学科、有機テクノロジー学科2年生の卒業研究にお邪魔しました。
まずは4階実験室から。今日は熱分析装置が稼働しているようです。
この班は葉緑素を用いた新しいプラスチック、高分子を作っています。苦労のかいがあって、ようやくその試作のサンプルができたようです。
葉緑素を使ったサンプルには色が付いていますね。このサンプルを熱分析することにより、耐熱性などのプラスチックには欠かせない「熱」に対する性質の変化を分析することができます。葉緑素を使うことで、どのように熱的な性質が変化したのか、結果が楽しみですね。
熱分析している横では、滴定分析の準備が着々と進められていました。この班は、大阪湾に生息する「アマモ」という植物がどれだけ環境を浄化しているのかを研究しています。土壌や水質を分析するのに、滴定操作は基本中の基本です。
さらに2階の実験室も覗いてみました。各所で様々な実験が行われていました。その中で、この班は、葉緑素を使った金属イオンセンサーの開発を目指しています。葉緑素は、天然色素の一つで、その分子の構造の中にマグネシウムという金属が入っています。このマグネシウムが抜けてしまうと、下のように、葉「緑」素にも関わらず、黒っぽい色に変色してしまいます。
ところが、ある条件のもとで亜鉛やカドミウムなどの金属を添加すると...
色が鮮やかな青緑色に変色しました。これは色素の分子の中に金属が再び取り込まれたからなのだそうです。この色の変化を、センサーに応用しようという試みです。研究には失敗や難題がつきもので、その難題を乗り越えようと各班とも今日も一生懸命に取り組んでいました。
卒業研究の発表会は二月の初めごろです。もう時間もあまり残されていませんが、みんなが難題を乗り越えて、最高の発表会にしたいですね。
byあおひげ