2011.02.05
本日は、本校の2年制学科の学生にとっての集大成である「平成22年度卒業研究発表会」が大阪科学技術センターの8階大ホールにて行われました。
本校では、2年生の後期(9月中旬)から約半年間に渡って5~6名の学生及び1名の教員でグループを構成し、卒業研究に取り組みます。その卒業研究の中で、学生たちはこれまでに学んできた化学の知識、そして身に付けてきた分析の技術を使って、研究を進めていきます。学生にとって卒業研究とは、自分たちの化学の知識や技術が本当に身についているかどうかを試している場になります。
振り返ってみると約2年前に入学してきた彼らの中には、化学をほとんど勉強していない学生もおり、試験管やフラスコを使ったこともなく、試薬の量り取りから溶液の調製なども初めてで、最初はぎこちない手つきで実験を行っていました。でも、これまでの実験を通して、少しずつ実験操作を身に付けていき、授業を通して化学の基礎を構築していき、その上で専門の知識を身に付け、教員が細かな指示を出さなくても、自分たちで実験を行うことができるまで成長してきました(その成長の様子は、これまでのブログの中でたくさん紹介してきました。)
その成長の姿と自分たちの研究の成果を発表する場が、今日のこの卒業研究発表会なのです。
発表前の会場では、学生たちは発表に向けての最終確認を行いながら発表の準備を進めていました。卒業研究発表会の開始に先立ち、ここで本校の教員から学生たちに入学してから現在まで彼らが歩んできた道のりをまとめたムービーをプレゼント。入学式、学園祭、スポーツ大会や日々の授業や実験、学校生活を振り返る内容となっており、そのムービーを見ていた学生からは「わぁー、懐かしい」と多くの歓声が上がっていました。そして開会宣言、校長のかりめろ先生も発表する2年生の熱いエールを送ります。
今年度の卒業研究発表会は、平日コースの学生と化学分析コース(土日開講)の学生約120名(卒業研究のグループとしては21班)の発表となりました。会場前方のスクリーンに自分たちの研究をまとめたパワーポイントのスライドを投影し、班内の学生が一人ずつ順を追って説明していきます。
さて、先日、この日のための予行演習の様子を紹介したブログでは、自分たちの説明がただセリフを読み上げているような感じで発表になっていない...という学生たちの様子をお伝えしました。しかし、この日は予行演習の時とはまったく異なっていました。学生たちは、セリフの棒読みではなく、スライドを的確に指しながら自分たちの説明したいことを自分たちの言葉で自信を持って発表していました。中には緊張している学生もおりましたが、そのような学生からは「何とか自分の言葉で説明してやるんだ!」という意地とやる気が伝わってくるような発表となっていました。
さて、ここで発表の舞台裏の様子を少しだけ紹介。発表する班は、自分たちの出番の直前に発表ステージの下で待機しておきます。発表直前となると、学生たちの緊張のピークMAXです。その緊張をほぐすのは、教員の役目。「必死に取り組んできたから、自信を持って発表できる、大丈夫!!」と声を掛け、学生が挙げてくる「緊張するわ~」という声を優しく包み込んであげるのです。中には、班員全員でキメポーズを取る班もありましたけどね(笑)。
21班すべての発表が終わり、本校の足立名誉校長による閉会の挨拶。足立名誉校長からは、「発表した2年生は、発表内容と発表態度ともに素晴らしかった」そして「内定を頂いている企業の方からもお褒めの言葉を頂いた」とご挨拶頂きました。
2年生全員が一人も欠けることなく無事に発表を終えた卒業研究発表会、色々な場面で学生の成長の姿を見ることができました。今年度の卒業研究発表会、大成功でした。2年生のみなさん、本当にお疲れ様でした。
さて、次は、今日の2年生の先輩たちの発表を見ていた1年生の番です。きっと「2年生はスゴイ、今の自分たちは1年後、このように立派に発表できるようになるんだろうか?」と思う1年生が多いと思います。でも、そんな心配はいりませんよ。何故なら、今も2年生もちょうど1年前に同じことを感じていたのですから。日々の授業と実験を大切にしながら学んでいくことで、立派に成長できますよ。そのために教員も一緒に一生懸命頑張りますから、どうか心配せずに、楽しみにしておいて下さい。
☆引き継がれている研究☆
卒業研究発表会には、本校の学生と教員だけでなく、保護者の方、内定をいただいている企業の方、研究を進める上で協力をいただいている方など、外部から多くの方にもご出席いただいています。その中には、本校の卒業生も含まれており、昨年度の卒業研究で「アマモ」についての研究を行っていたMさん(写真左)、Sさん(写真左から2番目)、Sさんが発表を見に来てくれました。この「アマモ」についての卒業研究は、すくろーす先生が指導を担当されているテーマであり、今年度も生命バイオ分析学科の学生が、昨年までの研究成果を引き継ぐ形で今年度も取り組みました(昨年度の卒業論文がピンク色のファイル、今年度の卒業論文が黄色のファイルです)。アマモの研究は次年度も引き続いて行われる予定です。次年度もこのような記念写真が撮れたらいいですね~。
by ボヤッキー