2011.09.05
このブログでも連日ご報告している、学生環境委員会による「第28回道頓堀川水質調査」も、いよいよ最終日を迎えました。この活動は、大阪にある道頓堀川(阪神タイガースが優勝するとファンが飛び込むことや、カーネルサンダー像が引き上げられたことでも全国をにぎわせた、アノ川です。。)の水質を調べるものですが、
1.サンプリング準備日
2.道頓堀川の水のサンプリング日
3.一般細菌・大腸菌群数の測定
4.MPN法による大腸菌群数の測定
5.BOD測定
というように、全5つの操作を、5日間かけて行うものです。これを毎年4回、過去合計27回にわたって継続的に実施してきました。(これまでの結果はhttps://www.bunseki.ac.jp/dotonbori.htmlをご覧ください。)
今日はその第28回目の最終日。私アビーも監督教員として入っていましたので、その様子をご報告します。
まず目に飛び込んできたのは、手際のいい学生たちの動きでした。この活動は、学生主体でおこなうものですので、基本的に教員は指導しません。先輩が中心となり、後輩に指導しながら進めていくのです。実験室には、「このやり方説明するから手が空いている人こっち来て」とか、「この操作をする上での注意事項は・・・」といったように、まるで先生が実験指導をしているときのように、先輩が声を出し、後輩たちがその手元をしっかりと見つめていました。
この活動は、任意のものであり、参加したいという希望がある学生のみが参加します。ですから、毎回先輩も後輩も、メンバーは入れ替わります。しかし、5日間にわたり、ほとんど顔を出し、活き活きと後輩指導にいそしんでいましたので、実験がひと段落した隙をみて下の写真の学生3名を捕まえ、今回の活動について感想をインタビューしてみました。
まず、笑顔が素敵な2年生命バイオ分析学科のTさん。彼女は微生物関係の実験はなんでもござれの先輩であり、今回の実験でも、率先して原理や操作の説明を後輩にしていました。実は、実験当日には、誰よりも早く登校し、微生物学を担当している私アビーを捕まえて、人知れず予習に励んでいた頑張り屋さんです。そんなに頑張る原動力はどころから来るの?の質問に対し、返ってきたのは...
「私が1年生の時に指導してくださった先輩Iさんのようになりたい!というその思いです。私が道頓堀川水質調査に初めて参加した時には、理解も作業も全く同級生にすら及ばず、少々落ち込んだほどでした。けれど、先輩に丁寧に教えていただいて、しかもその先輩も、自分たちに教えるために事前準備をしっかりされていたということを知って、自分もそんな風になりたい、そんな風に全力で取り組みたいと思ったんです。私が卒業までに参加できる活動はあと2回のみ。貴重な一回の最終日を迎え、ちょっとほっとしたような、でもちょっと名残惜しいような気持ちです。」と話してくれました。
また、左のO君は、「後輩指導は僕にとって自然なことです。今持っている僕の知識も先輩に教えていただいたことがほとんどだし、ありがたいと思っていました。後輩に教えようと思ったら、今持っている知識以上に自分でも勉強しないと自信を持って教えられないので大変だけど、すごく自分自身も成長できるから、自発的にしています。今日しっかり教えることができて、良かったですし、この体験はいい経験になりました。」と言いつつ、自作の予習メモを見せてくれました。
...すごい!まるで教員の教案のようです(笑)しっかり後輩からの質問対策もしているようです。
そして全体のまとめ役を買って出たT君。先生とのパイプ役という点でも大活躍していました。彼は、「2年生一人一人が自分が教えられること、できることを自信を持ってとりくんでいたと思います。もちろんこの3人だけではなく、今日参加していない2年生も含めて、たくさんの人がこの活動の成功のために頑張りました。後輩たちにもこの活動をもっともっと盛り上げていってほしいです。」と話してくれました。
輝いていたのはこの3人だけではないのは、私も見ていて十分わかりました。全員にインタビューできないのが残念なほどです。こうして学生が教員からだけではなく、同じ道を歩んできた先輩の背中を見て身近な目標を持ち、成長していくというのは、ある意味理想的な環境なのだと思います。まして、本校の学生は、高校を卒業してすぐに入学した学生だけではなく、一度社会で働いてから入学した人、大学を中退した人、大卒者、大学院卒業者など大変バラエティに富んだ年齢層、経歴の学生がいます。ですから、多くの学生同士が交流し、触れ合うことこそがプレ社会人経験ともいえ、貴重な勉強の場となるのです。付加価値一杯のこの活動、結果は上のリンク先で、近日公開予定です。しばらくお待ちくださいね!
byアビー