2012.02.09
今日は「第31回 道頓堀川水質調査」の3日目です。昨日、道頓堀川よりサンプリングした河川水にどれだけの一般細菌や大腸菌群がいるかをコロニー数のカウントにより測定しました。
測定方法は、シャーレと呼ばれる容器にサンプリングした河川水と培地と呼ばれる菌の栄養源が入ったものを混ぜ、一定温度で24時間静置します。静置後、コロニーを目視で確認し、コロニーがあるところに印をつけ、その数を数えます。コロニーとは、細菌、大腸菌などの微生物が増殖して目に見えるようになっている状態のものです。もし、河川水に一般細菌や大腸菌が含まれていると、シャーレにコロニーが見られます。細菌、大腸菌が河川水中に存在すると、その河川は泳ぐことのできない水質であると判断できます。
測定の結果、道頓堀川の河川水には大腸菌が存在していることが確認されました。明日は、MPN法による大腸菌群数の測定を行います。「第31回 道頓堀川水質調査」の結果発表は平成24年3月の予定です。また、過去のデータをご覧になりたい方はこちらをご覧下さい。
「第31回 道頓堀川水質調査」は、今年度最後の調査です。分析化学者として旅立っていく2年生の学生達にとって、最後の調査となります。
2年 生命バイオ分析学科のTさんは、1年生の時から道頓堀川水質調査に参加しています。
Tさんは、「道頓堀川水質調査は、学校生活で楽しい活動の一つです。なぜなら、1年生で参加した時、何をしたらよいか全く分からなかったのですが、先生や先輩に指導してもらい、自分の分析力が向上してきたことや分析することの楽しさを感じることができたからです。また、2年生となった今では、その経験を踏まえ1年生を指導することができ、1年生の成長していく姿を見ることも、楽しさを感じる一つです。」と言っていました。
↑後輩を指導するTさん(奥の学生)
Tさんは、春からアルミ製品の分析の仕事に就きます。分析化学者として本校で経験したことを発揮してほしいです。
先輩から後輩へと引き継がれている道頓堀川水質調査は、平成16年から開始し、今回で31回目を迎えました。学生環境委員会が8年間、道頓堀川水質調査の分析を続けデータを蓄積してきました。
なんと今日は、大阪にあるテレビ局、毎日放送の「ちちんぷいぷい」というテレビ番組で道頓堀川水質調査データが紹介されました。
番組の内容は、「道頓堀川をプールにする計画が浮上しているが、本当に泳いで大丈夫なのか?」という疑問に対して答えるための化学的データとして、本校の道頓堀川水質調査のデータが紹介されました。答えは、「道頓堀川の水質は改善傾向にあるが、大腸菌が検出されているため遊泳不可である。」です。
長年かけて分析し積み上げた道頓堀川水質調査のデータが信頼に繋がり、テレビで紹介されたと思います。今後も途切れることなく道頓堀川水質調査を続けていって欲しいです。
By Mac