2012.05.21
今日は好天に恵まれ、金環日食の天体ショーを見ることができました。太陽が欠けていき、周囲がうす暗くなっていった様子にとても感動しました。みなさんは金環日食の様子を見ることが出来たでしょうか?学生達の多くも金環日食を見ることが出来たとのことでした。早朝に金環日食で盛り上がった今日は、1年 生命バイオ分析学科と医療からだ高度分析学科の基礎化学実験の様子をレポートします!
私が担当した実験は、薄層クロマトグラフィーです。薄層クロマトグラフィーとは、専用のプレートに混合物の試料を染み込ませ、溶媒中に浸けることで、試料に含まれている成分を分離させる実験方法です。混合物成分の化学的な性質の違いによって、シートへのくっつきやすさが異なるため、くっつきやすい成分は移動が遅く、くっつきにくい成分は移動が早く進みます。このことにより混合物の成分は分離します。今回はホウレンソウの葉と乾燥ワカメを実験サンプルに用い、それぞれに含まれている色素の違いを比較しました。
学生達は、実験ノートを手にして班員と実験方法を確認しながら実験をしていました。実験ノートとは、その日に行う実験内容を前もって予習し、実験当日までにまとめられたノートです。学生達は、実験当日はテキストを見ることなく、自分が書いた実験ノートを参考にし、実験を行います。
↑ 実験ノートに使用した試薬のロットを記入する様子
下の写真は、それぞれのサンプルを乳鉢で細かく粉砕している様子です。入学後間もない頃は、白衣を着慣れなかった学生達ですが、すっかり白衣も馴染んできました。それだけでなく、実験操作も少しずつですが上達しています。
↑ サンプルを乳鉢で細かく粉砕
次に、準備が出来たサンプルを薄層クロマトグラフィーにより分離しました。
↑ 色素を分離
実験後、教室で実験のまとめを行いました。同じ班の学生達と相談しあったり、確認しあったりして学生達は真剣レポートを作成していました。
↑ 実験後、結果をまとめています。
レポートをまとめていた学生達に実験の感想を聞きました。生命バイオ分析学科のKさんは「今日は新たに一つの実験機器の使い方が分かりました。実験する中でいろいろな発見があります。実験が楽しいです。」、生命バイオ分析学科のAさんは「ホウレンソウの色素を分離することは初めてでした。よく復習したいです。食品関係の仕事を目指しているので、機会があればいろんな食品も試料にして分析したい。」と言っていました。
毎回楽しく実験している学生達ですが、実験中には集中し、技術を習得しようとする熱意を感じます。少しずつ実験技術上達させ、将来の分析化学者を目指して一歩ずつ着実に進んでほしいものです。
By Mac