せんせのブログ

卒業研究~平日コースも負けていません~

2012.06.11

外部の方とも卒業研究を行っています。

本校では、外部の方(企業、NPO、他の学校)とも協力して卒業研究を行っています。今日は「アマモ」の研究をされている方が来られて、学生と卒業研究の打ち合わせを行いました。アマモとは、海の浅瀬に生育する海草で、人工浜には生育しにくいことから美しい自然の海の象徴とされています。大阪湾に自然には自生していますがその明確な要因は分かっておらず、本校では分析化学の観点から、自生している場所とそうでない場所の底質(海の底の土)の成分を比較することで、化学的に何かその秘密がないか探しているのです。

今回の打ち合わせでは、学生たちはアマモの魅力に気を惹かれるとともに、卒業研究の本来の意味を理解していました。今回の打ち合わせで、多くの質問をさせていただきました。
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実験室に閉じこもっていると、どうしても出したデータにだけ集中してしまい、そのサンプルの取り巻く環境や、違った視点からの考察が出来なくなります。しかし、今取り組んでいるアマモの研究では、外部の方の意見を(別の視点)をいただき、実際にアマモのサンプリングに行き、その環境を自分の目で確かめます。
それが、この研究での魅力です。早くも学生たちは、サンプリングに行き、アマモについてよりスペシャリストになりたいと言う気持ちを語っていました。

平日コースもPFD完了!! ここまででも大きく成長しました

昨日のブログでは、土日登校の化学分析コースの学生が「卒業研究」のPFD(プロセス・フロー・ダイヤグラム)の提出を行ったことをご報告しましたが、今日は平日コースの学生の提出がありました。PFDとは実験を行う上での実験操作をフローチャートにして、各操作を行う上で必要な資源・エネルギー(IN)と、それに伴う環境への影響(OUT)をまとめたものです。

 私「ぱすた」の卒業研究班も無事完成させ、誇らしげに提出に来ました。代表でPFDを提出に来た有機テクノロジー学科2年生のIくんは「無事にPFDを提出することができました。今回の卒業研究では、環境に配慮したプラスチックの合成を行います。卒業研究のミーティングでは、今まで話をしたこととない人と同じグループになり、求めるものが違うこともありましたが、意見がまとまった時には大きく前進しました。先生から訂正が入ったときには、みんなが協力してPFDを修正していき完成にこぎつけました。まだ、スタートラインに立ったところで、これからが大事です。昨年の先輩の卒業研究の発表会を見て、単に卒業研究では実験をするのではないと感じました。得られたデータを解析・考察をし、論文にまとめてプレゼンテーションをします。せっかく得られた成果も、しっかりと伝えることができないと意味がありません。これから、プレゼンテーションの仕方も訓練していきたいです。」と語ってくれました。とても、心強さを感じました。単に、先生から言われたことを研究し、発表することだけではなく、周りの人にどのように伝えるかがポイントです。自分たちで工夫をし、研究を行うことができて初めて、2年間の集大成になります。研究の成果が楽しみですね。
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また、こちらは私が担当するもう一班の、有機テクノロジー学科2年生のKさん、Fくん、HくんがPFD提出の様子。
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彼らは「環境のことを考えて、ものをつくるってとても大変なことだと思いました。私たちはISO14001修得の学校で学習しているので、常に環境のことを考えて研究をしなければなりません。良い製品ができても環境に悪影響を与えてしまうと全く意味がありません。今後研究を進めていくときや、就職してから研究・開発を行う際にも環境への影響をしっかりと考えながら研究を進めていきたいです。」とコメントしてくれました。現在では地球温暖化をはじめ様々な環境問題があり、環境のことを考え、研究を行うことは我々の将来のことを考えることにつながります。この、環境のことを配慮することの大切さを忘れずに研究を進めてもらいたいです。

Byぱすた