2012.06.29
今日は実験中の一年生と二年生、レポート日の学生の様子をご紹介します。
一年生の資源分析化学科と有機テクノロジー学科の学生は、基礎化学実験を行いました。
基礎化学実験では、無機化学・有機化学・生物化学の中でも基礎となる実験操作を学びます。
その中でも分液漏斗を使って有機化合物を酸性、アルカリ性の雰囲気下で分離をする「酸・塩基中抽出」の実験中にお邪魔しました。
↑分液漏斗を持っているのは、有機テクノロジー学科のMさんです。
Mさんは医薬品業界を就職先として希望しています。
本日の実験の感想は、「酸性、アルカリ性の違いによって、有機化合物を分離できるのが不思議で楽しい」だそうです。
これからも楽しい実験を通して、実験の基礎を身に付けて下さい。
↑廃液処理を行う資源分析化学科のHくんです。
本校では、実験で出る廃液を処理するのにも学生たちが率先して行うように指導をしています。
なぜなら、企業に就職してから廃液を処理するのは、実験をした自分自身です。
学生のうちからこの廃液処理に慣れていると、企業に就職してからも当たり前のように作業が出来ますね!
ちなみに、私が大学生の頃には、実験中に出た廃液はTA(ティーチングアシスタント:実験中の助手をおこなう人)が廃液の処理を行っており、私たちはその処理に関わることはありませんでした。
その結果、廃液に対する理解やその処理方法を実験から得ることはできず、研究室に配属されてから困った経験があります。
楽しく実験しながら、分析化学者に大切なスキルを身に付けているのが、彼らの笑顔から漂ってきます。
二年生の資源分析化学科は、材料分析化学実験を行っていました。
材料分析化学実験では、ガラスや銅合金中に含まれる成分の分析を行う実験です。
今日はステンレス鋼中に含まれるNi(ニッケル)の分析実験です。
我々の生活においては、構造物や鉄道車両、包丁などさまざまな場面で使用されている材料です。
ステンレス鋼には、鉄を錆びにくくするためにCr(クロム)やNiなどが含有されおり、そのNiの含有量をステンレス鋼から取り出し、分析する実験を行っていました。
ちなみに、本校にはこのようなステンレス鋼の分析を行っている企業やステンレス鋼を製造している企業からも求人を頂いています。
↑資源分析化学科2年生から実験の内容を教えてもらいました。
二年生の有機テクノロジー学科の学生はレポート日でした。
実験を行った後、その内容と実験結果をレポートとしてまとめるのは、分析化学者としては大切な仕事の一つです。
レポート日には、学生たちは作成の際に気を付けなければならないことを我々教員から指導を受け、その後、学生たちは返却されたレポートを修正して再提出します。
↑ドラ一郎先生のガイダンス風景です。
私も大学生の頃は実験を行った後にレポートを提出していましたが、このようなレポート日は設けられていませんでした。
また、提出したレポートが返却されたことはありませんでした。
これだと、自分が提出したレポートの良いところも悪いところも分からずに、ただ単にレポートを提出しただけというものでした。
しかしながら、本校ではレポート日を設けていることで、学生たちは自分のレポートに欠けていた部分を知り、それを修正することができます。
そのため、本校の卒業生は就職した企業において、報告書作成の点においても高い評価を頂いています。
↑石川県出身のSさんです。レポートの修正のため、化学辞典を使って調べています。
楽しい実験とレポート日を通して、分析化学者としてのスキルを身に付ける学生たちを紹介しました。
by バッテン