せんせのブログ
知識と技術を身に付けるための創意工夫
2012.09.08
分析化学の知識や技術の習得、または転職を目的とする社会人やフリーター、
Wスクールの大学生などを対象に、毎週土曜日・日曜日に開講している化学分析コース
が今週も始まりました。化学分析コースでは現在期末試験の期間中ですが、
学生達も毎週頑張って全国各地から登校してきました。
定性分析実験で一工夫
1年生は午前は通常授業、午後からは定性分析実験でした。この実験は複数の
金属イオンが溶けた溶液にどのような金属が含まれているかを、pHを変えたり、
酸化還元をさせたりして、分析する実験です。金属イオンが様々な色の溶液や
沈殿になるので、その変化を見ているだけでも興味深い実験ですが、なかなか
思い通りにいかないこともあります。
今日は3人1チームでこの実験に取り組みました。各グループともグループ内で
作業の分担を決め、テキパキと実験に取り組んでいます。要所要所でM木先生から、
反応の確認をしてもらったり、うまく沈殿を作るコツの説明を受けたりしながら
作業を進めています。予習をしっかりしないと、テキストを読んでもなかなか
うまく実験は進みませんが、みんな平日仕事が終わってからコツコツと予習を
して臨んでいるので、思いの外スムーズに進行していました。
そんな中、学生達を見ていると、実験室では見慣れないものを持っている学生が
いました。Hさんが小さいホワイトボードを持参したのです。何に使うのか聞いて
みると「実験で出来た沈殿の色などを写真で記録するために、持ってきているんです」
との事でした。ホワイトボードに何の実験かを書いて、その手前に試験管やビーカーを
置いて写真に記録しているのです(右の写真参照)。これまでにも写真で記録を残す
学生はいましたが、ホワイトボードに何の記録か併せて写しておくというのはなかなか
いいアイデアだなぁと思いました。
沈殿の色も例えば黄色といっても、薄い黄色からオレンジに近い黄色など様々な色味が
あります。言葉で記録するのも大事ですが、写真で残っていると後々復習しやすいですね。
化学分析コースの目的のひとつに「技能士(化学分析)」という資格取得があります。
卒業後にチャレンジできる資格ですが、その試験前にもきっと役に待つことでしょう。
その前に、定性分析実験でも実技試験があります。しっかりとデータを整理して、実技
試験に臨んでくださいね。
by ドラ一郎