2012.10.10
今日は就職関連行事の一つである化学実務駅伝が本校で行われました。
化学実務駅伝は、企業の現場で化学がどのように用いられ、活用されているのかということをご講演者から「現場の声」を学生達が聴くことで、学生達が今学んでいる化学の面白さを知るとともに、これからの本校での化学教育の充実を目的として行われています。
今回は第27走者として、太陽鉱工株式会社の赤穂研究所所長の吉永様と本校29期卒業生の海宝様にご講演いただきました。
太陽鉱工株式会社では、モリブデン・バナジウムの抽出や精製、フェロアロイの製造や希土類元素化合物・ジルコニウム化合物の製造など、非鉄金属・レアメタルの製造・販売が行われています。
言葉だけで聞くと我々の生活とは全く関係のない物質と思われるかもしれませんが、これらの非鉄金属・レアメタルは、鉄道、航空機、携帯電話、スプーン等々、私たちの生活と切っても切れない物質なのです。
それらの製造業務において、学生達が今学んでいる分析化学がどのように用いられているのか吉永様よりご講演頂きました。
「分析化学は、太陽鉱工株式会社において品質保証課で使われており、製造した商品の成分分析値チェックを行っている。」、「その成分分析値が商品の売価にも直接関わるため、企業の信頼性に影響がある非常に重要なポジションで、その責任も重い」とご講演頂きました。
このご講演を聴いた学生達は、今学んでいる分析化学の知識・技術の重要性を理解したと思います。
吉永様とご同行頂いた海宝様は、今年3月に本校を卒業しました。
本校在籍当時は、せんぱい先生のクラスである資源分析化学科に在籍しており、卒業研究でもせんぱい先生の担当班で実験を行っていました。
その海宝様より後輩たちに、本校で学んでいる授業・実験の大切さのアドバイスがありました。
ちなみに、海宝様からのコメントをご紹介すると、「本校で学んだ実験や授業で学んだ内容が入社してから生きている。」、「色々な分析機器や実験道具について、学生のうちに慣れていることが大切!」と普段学校で学んでいる内容が企業に入社してからも大切であることをご自分の経験から後輩達に話して頂きました。
現在、海宝様は太陽鉱工株式会社でバナジウムの分析業務に就かれており、分析化学者として将来を期待されているポジションにいると所長の吉永様より紹介されていました。
↑写真左側の方が、所長の吉永様です。中央に立たれているのが29期卒業生の海宝様です。
先輩の経験を聴くことで、後輩である学生達は明日からの授業・実験に今まで以上に集中して臨んでくれるものと思います。
by バッテン