2012.11.17
平日の学科・コースの学生達が主体的な課外活動を展開する環境委員会が、
平成16年度から継続して実施している「道頓堀川水質調査」が始まりました。
道頓堀川?という方もいらっしゃると思いますが、阪神タイガース優勝の時に
ニュース等で放送される川へのダイブ、その川が道頓堀川です。しかしながら、
そのダイブへの賛否と水質問題に関しては、いつも話題となるところ。そこで、
客観的にその是非について判断できる材料の一つを広く提供することを目的に、
本校学生が継続的にその水質を測定しています。先日も埼玉県の女子中学生が
修学旅行を兼ねて「関西の水事情」に関する調査研究を行うため、道頓堀川の
水質について質問に来校されています。その様子は、こちらをご覧ください!
さて、前回の調査をこのブログで紹介した際に、環境委員会の活動は、学年や
学科の垣根がないことや、上級生から1年生に対して、アドバイスする様子も
よく見られることを紹介しました。次回の調査からは、1年生が中心となって
調査を行うことになりますので、上級生の「技」を学び取ろうとする1年生が
意欲的に取り組んでいます。では、調査の様子を紹介しましょう!
先ずは現地、道頓堀川でのサンプリングです。環境分析を行う企業と同じ道具、
同じ方法で河川水を採取します。ここでのミスは取り返しがつきませんので、
小雨の降る中、慎重に採取していきます。水質調査の基本事項となる水温や、
水の酸性・アルカリ性の指標となるpH(水素イオン濃度指数)の測定を済ませ、
サンプリングは終了、学校へと戻りました。
その頃学校では、2年生が中心となって、試料(道頓堀川の水)が届くまでに
実施すべき事項を確認するミーティングと準備が着々と進められていました。
試料が到着すると、水域の衛生的な指標となる大腸菌群数の測定、水の濁りの
指標となる濁度、生物の生存条件にもなるDO(溶存酸素;水中の酸素濃度)
について、テキパキと分析が進んでいきます。このDO(溶存酸素)は、水が
有機物によってどれだけ汚濁しているかを示すBOD(生物化学的酸素消費量)
測定の基礎データにもなりますので、慎重かつ迅速に操作が進んでいきました。
大腸菌群数は、一定温度で培養して明日・明後日に、BODは11月22日(木)に
測定と、この道頓堀川水質調査はまだまだ続きますが、今日の結果については
最後のミーティングでデータを共有し、一日の振り返りが行われました。
その後、1年生の二人に話を聞いてみました。
有機テクノロジー学科のT君(写真左側)は、
『サンプリングの時に行うpH測定で用いるpHメーターは、先生や先輩の
アドバイスもあり、前回の調査の時よりも使いこなせたと実感しています。
次回は1年生が中心となり調査を行いますが、今回までの経験を生かして
正確なデータを出していきたいと思います。』
資源分析化学科のO君(写真右側)は、
『幼少の頃から水質の調査に興味があって、この道頓堀川水質調査にも参加
しています。将来は環境分析の仕事に就きたいと考えていますので、この
環境委員会の活動を自分自身のステップにもしたいと思います。』
この道頓堀川水質調査は明日以降も続きますが、次回は1年生が中心となっての調査に
なりますので、分析技術だけではなく、その準備や進め方などもしっかりと上級生から
学んで欲しいと思います。
by あずみ