2012.11.25
毎週、土曜日・日曜日に社会人やフリーター、Wスクールの大学生などを対象に分析化学の知識と技術を習得するために開講されている化学分析コースが、今日も開講されています。
全国各地から学生の通学する化学分析コースでは、地元ではもう雪が降ったんですよ、という声も聞こえてきました。
さて、今日の1年生は、午後から定量分析実験。定量分析にも色々ありますが、本日のテーマは酸化還元滴定という内容でした。この実験は水質検査で用いられているCOD(化学的酸素要求量)の技術にも繋がる実験です。環境分析の仕事に就きたいと考えている学生もいますので、まずこの実験で原理をしっかり身につけようと皆熱心に取り組んでいます。
この実験は反応時間がかかるため、焦らないことも大切です。今日はT君にまず代表になってもらい、全員で反応の様子をじっくり観察しました。今までの実験なら、混ぜればすぐに色の変わる実験が多かったのですが、この反応はなかなか色が変わりません。待つこと約3分、やっと色が変わりました。
全員固唾を飲んで観察していたため、色が消えた瞬間には「おぉぉ!」と感嘆の声も聞こえてきました。こういう小さな驚きが興味を高め、理解を深めて行くポイントですよね。
また、環境分析の仕事を目指しているKさんは将来自分が関わる実験かもしれないということで、「何故、色が消えるまで加熱しちゃダメなんですか?」なとなど疑問点を私やM木先生に投げかけてきます。十分理解できましたか?
さて、だんだん実感できてきたと思いますが、一つ一つの実験はシンプルなように見えますが、これを積み重ねていくと、仕事で即戦力となれるだけの力が身につきます。今日の実験の知識をこれだけで完結させるのでなく、定性分析実験やこれから行う他の実験の知識ともリンクさせて、実力をつけて行って下さいね。
by ドラ一郎