2012.12.01
今年も残すところ、あと1ヶ月になりましたね。
毎週、土曜日・日曜日に社会人やフリーター、Wスクールの学生を対象に分析化学の知識と技術を習得するために開講されている化学分析コースが今週も始まりました。今日も全国各地から学生達が登校してきました。
今日は午後から定性分析実験だったのですが、お昼休みに資料室にきて熱心に調べ物をしている学生がいます。何を調べているのか尋ねたところ、「応用分析化学実験でやった『縮合』がよく分からなくて...」と言うことでした。ちょうど有機化学の授業でも学んだところで、重合や縮合など似たような言葉があり、いまいち掴みきれていないとのことでした。
資料室には授業で使う教科書よりも有機合成のことが詳しく書いてある専門書もありますので、数冊紹介し、まずは自分で調べてみるように指導しました。
このあたりの知識は来年2年生で高分子化学を学ぶ際も必要になってくる知識です。化合・重合・縮合・重縮合などなど似たような言葉が出てきますが、「縮」という言葉がつく場合の共通点を見いだせれば、理解できると思いますので、あとひと息頑張ってみましょう。
午後からは定性分析実験です。次回から実技試験が始まるため、直前対策を行いました。各自、自分の不得手なところや、じっくり確認しておきたいところに取り組みます。後期の最初には、この金属イオンに○○を混ぜたらどうなる、ということをまったく知らなかった学生達も、今日の実験中の会話を聞いているとかなり熟練した化学技術者に成長している様子がうかがえました。
例えば質問一つにしても、最初のころは試薬を混ぜて「先生、これでいいですか」という様子だったのに「◯と△を混ぜても沈殿ができません。塩酸を入れすぎたんでしょうか」と自分なりの考えで、どんなことが起こりうるのか十分考察した上で質問できるようになっています。
T君などは「座学も大事だけど、実験の日はワクワクする」と言っていました。実験が楽しめると言うことは、それだけ実験内容を理解して、予測を立て、困難にぶつかりながらも結果を出せていると言うことだと思います。
「実技試験」と言われると少し身構えてしまうかもしれませんが、次回の定性分析実験をがんばってくださいね。
by ドラ一郎