2013.01.06
週末(土曜日・日曜日)だけの通学で、化学分析の知識・技術が修得でき、平日の学科と同様に
2年間で卒業できる(卒業と同時に取得可能な国家資格も全員が取得できる)化学分析コース。
このコースは定員20名の少人数制で、技術職への転職や再就職、現職におけるスキルアップや、
国家資格の取得、事業の拡大等を目的とした社会人や大学生が、全国各地から通学しています。
化学分析コースでは、昨日から平成25年の授業が始まっていますが、
1年生は新年はじめの実験日です。実験科目は「応用分析化学実験」、
定量分析実験や定性分析実験などで習得した基礎的な知識及び技術を
実サンプルの分析を通じ、実務的な経験をすることが目的の一つです。
今日の実験テーマは水中の酸素濃度(溶存酸素)の測定です。生物の
生存条件に関係するだけでなく、生活環境を判定する基準にもなって
います。環境分析の職場では、溶存酸素の測定は水が有機物によって
どれだけ汚濁しているかを示すBOD(生物化学的酸素消費量)測定
にも用いられています。
先ずは、サンプリングです。本校のすぐ横を流れる河川の水を実際の
環境分析の仕事でも使用されるバンドーン採水器を用いて採水します。
特に、環境分析の仕事はサンプリングで失敗すると、その後どれだけ
正確に分析しても意味がありませんので、重要な操作です。
実験室に戻って、溶存酸素をある沈殿物の酸化反応に利用して固定、
ここには定性分析で学んだ理論が利用されています。最後には、定量
分析実験で基礎を学んでいる酸化還元滴定です。
環境分析の仕事と同様に、JIS(日本工業規格)に沿って一連の操作を行いましたが、
環境計量証明事業所への転職を入学目的としているF君(上の写真)に感想を聞くと、
『すごく面白かったし、サンプリングの重要性も理解できました。
実際のサンプルを分析する上で、今までの実験が基礎になって
いることもよく解りました。機会があれば、自宅の近くにある
綺麗とは言えない池の水を分析してみたいと思います。』
1年生としての授業・実験はあと2ヶ月ですが、今回同様に実務的な実験内容が増えて
いきます。1年間のまとめをしっかり行い、将来の仕事につなげて欲しいと思います。
by あずみ