2013.06.01
今日は、本校学生の課外活動の1つで、環境委員会が主となり進めている
道頓堀川水質調査のサンプリング日でした。
環境委員会では、平成16年から大阪の街の中心を流れる道頓堀川の水質
調査を行っています。道頓堀川とは、阪神タイガースが優勝したときに
ファンが飛び込む川としても有名です。「この川で本当に泳いでも大丈夫な
のか?」と、普段勉強している知識と技術を使い、川の水質調査を毎年
行っています。メディアにも何度か紹介されており、「阪神タイガースが
優勝しそうな時」には、特に注目される活動です。
過去の調査結果については、こちらで掲載しているため、興味のある方は
ご覧下さい。(https://www.bunseki.ac.jp/dotonbori.html)
と、ここまで書かせて頂きましたが、いつもブログを読んで下さっている方、
本校の卒業生の方の中には、「あれ?」と思われている方がおられるかもしれ
ません。
この道頓堀川水質調査は、毎年4回実施しています。今年度の1回目も、
先日の5月18日(土)にサンプリングを行いました。
その時の様子は、こちらのブログをご覧ください。
https://www.bunseki.ac.jp/teacher_blog/2013/05/post-7482.html
実はこの時、ブログでは紹介されていませんが、川の水を採る器具が長年使用
してきたことによる劣化で、現場にて壊れるというハプニングがありました。
この時壊れた道具は、下の写真右端の資源分析化学科2年生で、環境委員会の
会長もしているMくんが持っている白い物体です。これをバンドーン採水器と
言います。
川の水を採る時、定めた方法で、定めた場所からサンプリングをする必要があ
ります。それをするための道具が途中で壊れてしまい、前回は一部でサンプリ
ングができなくなりました。サンプルが規定通りに採れていないということは、
測定結果が例えいつもと同じような結果であったとしても、信頼できる分析
結果として出せません。
そのため、環境委員会の学生達でバンドーン採水器の修理を行い、もう一度
サンプルの水から採り直し、再調査をすることになりました。つまり、今日は
リベンジの日なのです。
朝早くに、学校へサンプリング道具を取りに来た学生と一緒に、私ぽてとも
同行して大阪の難波にある道頓堀川へ出発しました。
やる気満々なのは2年生。初めて参加する1年生はちょっと戸惑い気味です。
サンプリングを最初に行う道頓堀川の地点で、さらに数名の学生と合流し、サン
プリング開始です。
今日、サンプリングに参加した1年生の多くは、初めて参加した学生でした。
いや、そればかりか、初めて大阪の難波へ、道頓堀へ来た!という学生も3人
いました。岐阜県や高知県など、関西圏外から本校へ来た学生です。
『初めての難波で、道頓堀で、サンプリング!』
何か、熱いですね。
この大阪の観光名所でサンプリングをするなんて、そう経験できるものでも
ありません。ある意味、本校学生の特権なのでしょうか(笑)。
テレビで見たことのある光景を見て、
「グリコのマークのネオン、近い!」
「思っていたよりも道頓堀川って幅が狭いんですね!」
と、観光名所をある意味満喫していました。
そして、いざサンプリングが始まると、2年生は1年生に丁寧に説明をして、
サンプリング方法を教えていました。
下の写真は、バンドーン採水器を使ってサンプリングをしているところです。
修理をした後なので、少し心配していましたが、問題無く使用することがで
きました。
採ったサンプルは、その場で水温やpHを測定し、それぞれの分析目的に
合わせて容器に入れ、すぐに学校へ持ち帰りました。
その学校では、実験室で分析部隊が待っています。
こちらは、BOD(生物化学的酸素要求量)という分析項目を調べるため
に滴定操作をしている様子です。
この写真手前の2人は1年生で、初めてこの滴定をしています。滴定操作
そのものは、通常の授業・実験の中で行っており、技術は既に学んでいます。
しかし、滴定と言っても、いろいろな種類があり、使う試薬も異なります。
上の写真で、一番手前の右で滴定をしている有機テクノロジー学科1年生の
Kさんは、「先輩が楽しく、丁寧に教えてくれるので、嬉しかったです。いろ
いろな経験もできて、本当に楽しかったです。」と、実験終了後に話していま
した。
また、一番手前の左で滴定をしているのは、資源分析化学科1年生のSくん
です。出身が岩手県で、大学へ編入学したいと考えています。鉱物が好きと
いうことで、環境分析にも興味を持っています。
参加した感想を聞くと、「いろいろな経験ができて良かったです。」と、
話してくれました。
下の写真もSくんです。
今回、この実験は初めてでしたが、周りの2年生からアドバイスを受けながら、
終わる頃には、写真のようにベテランの域に達したかのような雰囲気を醸し
出すまでになっていました。
このように、先輩と後輩のつながりができるのも、この水質調査の良いところ
だと思います。
さあ、リベンジした結果がどのように出るのか楽しみですね。
By ぽてと