2013.06.10
梅雨の季節に突入し、雨こそ降りませんが、
今日も曇り空でジメジメした一日でした。
そんな中でも学生たちは元気いっぱいでした。
(1年生の仲良し4人組)
友人達と食べる昼食も、勉強の合間の楽しいひと時ですね。
今日は2年生の有機テクノロジー学科・
3年生の医療からだ高度分析学科の実験を紹介します。
「ある物質」と「ある物質」を足し合わせることで、
それら2つの物質とは全く違う「新しい物質」を創る化学のことを、
「合成」といいます。
今日はその合成を行う実験でした。
2班に分かれて、それぞれが別の物質を「合成」する実験を行いました。
こちらの班では、
「酢酸エチル」という有機溶剤を合成する実験を行っています。
酢酸エチルは、接着剤や塗料を溶かすのによく用いられる、
独特の甘い匂いのする成分で、
皆さんも日常生活の中で一度は触れたことのあるものです。
その原料は、なんと「お酢」と「お酒」なんです。
食酢の中に含まれる酸味成分である「酢酸」と、
お酒のアルコール成分である「エタノール」を足し合わせて、
酢酸エチルは作られます。
(これが酢酸エチル)
そして、これが本当に酢酸エチルなのかを確認し、
その純度を調べるために、
今回は「ガスクロマトグラフ」という装置も使用しました。
実は1年生の後期に、
この装置について実験もしながら学んでいます→昨年の10月30日のブログ)。
その時の経験と知識が2・3年生になって、
改めて活かされたということになります。
医療からだ高度分析学科3年生のN君が率先して分析を行っています。
「自分たちで合成したものを、自分たちで分析する」というのが、
この実験の面白さです。
「1年次に学んだことが活かせたのがうれしいです」と話す学生が多くいました。
もう一方の班でも、
医薬品、化成品の原料になる成分を合成していました。
透明な3つの液体を足し合わせると...、
こんな黄色い固形物が!
もう見た目からして、全くの別物です!
実験に積極的に取り組んでいた2年有機テクノロジー学科のO君も、
思った以上の変化に驚いている様子でした。
しかし、そんな中でも、
医薬品業界に内定が決まっているT君には、
まだまだ物足りない様子。
「理論的にはもっとたくさん作れるはずだったのですが...。
量が減った原因を考えます」と、
さらに貪欲に、より良い結果を求めていました。
こうして、実験一つ一つをクリアし、みんなレベルアップしていくのですね。
今日は医療からだ高度分析学科4年生のOさんの内定報告です!
医薬品メーカーの品質管理というお仕事で内定を頂きました。
彼女は長崎県出身で、
昔から医薬品に興味があったのですが、
事情があって医薬品とは全く関係のない大学の学部に進学しました。
しかしどうしても医薬品への夢が捨てきれなくて、
大阪の本校に入学し、
今日までの4年間、頑張ってきました。
昨年には、今日紹介した「合成」の実験も経験し、
4年間かけて、医薬品についての知識を積み重ねてきたのが、
今日実を結びました。
少し遠回りをしている分、喜びもひとしおです。
今日紹介した2・3年生達も、
先輩を追って、「分析化学者」として、
それぞれの夢を叶えてほしいと思います!
byあおひげ