2013.06.22
週末(土曜日・日曜日)だけの通学で、化学分析の知識・技術が修得でき、平日の学科と同様に
2年間で卒業できる(卒業と同時に取得可能な国家資格も全員が取得できる)化学分析コース。
このコースは定員20名の少人数制で、技術職への転職や再就職、現職におけるスキルアップや、
国家資格の取得、事業の拡大等を目的とした社会人や大学生が、全国各地から通学しています。
2年生たちは、7月の下旬からスタートする卒業研究に向け、実験も総まとめの
時期となりました。今日は機器分析実験、HPLC(高速液体クロマトグラフ)を
用いた分析を実践しています。各グループが分析したい市販の清涼飲用水を選び、
持参して、その中に含まれるビタミンCの定量分析(どれだけ含まれているか)を
実施しました。
ビタミン飲料や、レモン果汁が含まれるものにビタミンCが含まれるのは想像も
できると思います。写真にあるように「お茶にビタミンCが?」と思われる方も
いらっしゃると思いますが、ビタミンC(アスコルビン酸)には還元作用があり、
変色や風味の劣化を防止する酸化防止剤として添加されています。消費者に届く
までに時間を要することの多い現在の食品には欠かせない食品添加物の一つです。
これらの食品添加物の量や濃度をチェックする、品質管理も分析化学者の重要な
仕事の一つです。
実験の様子を少し覗きに行くと、それぞれが真剣な様子で操作を進めていました。
データ処理と商品に示された成分表示値との比較や考察については、これからと
いうところで実験室を離れましたが、M君(左写真)に話を聞いてみると、
『1年生の時と比べ、実際のサンプルを扱うことが多くなり、化学分析の実務を
体験していると実感できます。今日は、測定値が定量範囲(分析可能な濃度の
範囲に入らない、などのミスもありましたが、それも一つの経験だと思います。
しっかりとデータも得られましたので、成分表示の値とも比較して、自分達の
分析結果を考察したいと思います。』
化学分析コースは週末に集中して学ぶコースなので、平日の学科・コースよりも約2ヶ月早い、
7月から卒業研究も始まります。卒業研究を進めていくプロセスでは、上手くいかないことや
予期せぬ分析値がでることもあるでしょう。その際に、これまでのミスが経験となって上手く
対処できるようになるのです。今日の失敗を糧として、明日の技能向上につなげて欲しいなと
思った一日でした。
by あずみ