せんせのブログ

見えてきた次のステップ!

2013.09.29

毎週、土曜日日曜日に社会人やフリーター、Wスクールの大学生(大学院生)などを対象に、
分析化学の知識と技術を修得するために開講されている化学分析コースが今日も行われています。
昨日は実験の無い座学だけの一日でしたので,学生達は今日の実験を楽しみに登校してきたようです。

1年生も2年生も次のステップへ

今日の1年生は午後から定性分析実験のガイダンスです。
これまで金属イオンの分析方法のうち、1族と2族の分析を実験で経験してきましたが、
これから3~6族の分析を行います。その実験の流れを説明するのが、今日のガイダンスです。
私が教室をのぞきに行ったときには、M木先生が熱のこもった説明をしていました。
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2年生は、また卒業研究が進展してきているようです。
私の担当する班は、これまで柑橘類の皮から精油を抽出し、分析してきましたが、
こちらにはおおよその目処が付いてきたので、
新たな素材から精油を取り出すことを開始しました。

その素材はヒノキです。
ヒノキやスギの板のにおいを嗅いだ経験のある人は解ると思いますが、
針葉樹独特の匂いがします。さてさてどの程度精油が取れるのでしょうか?
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Kさんに話を聞いてみると、
「オレンジの皮に比べると、精油が取れる量は少ないです。
 サンプル量も少ないの抽出方法を工夫していきたいです」とのことでした。
柑橘類での実験で、精油の抽出方法についてノウハウがある程度身についてきているので、
今日始めたヒノキの実験でも見通しが立てられるようになってきているんですね。


もう1つのグループは、なにやらろ過をしています。
蚕(カイコ)のマユを溶かして作った液体をろ過しているとのことです。
正真正銘の「シルクプロテインエキス」ですね。なんだかお肌に良さそうです。
しかし、マユを溶かすのも苦労があったようです。
マユの繊維(絹糸)は、2重の構造になっているそうで、
外側の層を溶かしてしまわないと、繊維が水にとけた状態にはならないそうです。
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S君達は、様々な酸やアルカリ性の薬品を使って、
一番分解性の良い条件の検索から始め、やっと繊維の可溶化までこぎ着けたようです。

さて、研究目標達成のための基礎条件の洗い出しは、
どちらもできつつあるようです。
ゴール目指して引き続き頑張りましょう

by ドラ一郎