2013.12.03
本校では、
講義により知識を修得し、理解力を深める。
実験・実習により技術を修得し、判断力を養う。
卒業研究により実践的な経験を積み、応用力を発揮する。
という3つの段階を通して、
学生たちは日々、分析化学者として成長しています。
本日は、そのような成長の様子をご紹介したいと思います。
化学的な分析の方法には、以前のブログで紹介した
キレート滴定のように自らの手で行う分析(手分析)と
機器を使って行う分析(機器分析)があります。
本日は、生命バイオ分析学科と医療からだ高度分析学科の1年生が
機器分析の実験を行っていました。
機器分析に使う様々な装置の構造や原理は
4月からアクア先生がじっくり丁寧に授業を行ってきているので、
学生たちは知識を蓄えてきています。
そこで、授業で学んだ装置を実際に使って、
技術を身に付け、より一層深く学ぶのが機器分析の実験です。
まずは測る溶液を作っています。
きれいなオレンジ色の溶液ができていますね。
作った溶液を順番に装置で測ります。
上の写真の装置では、溶液に当てた光の減った量から、
測りたい物質の濃度が分かります。
生命バイオ分析学科1年のH君から
「授業で聞いている時は、どうして濃度が測れるのか
なかなかイメージできなかったのですが、この実験を行って、納得できました。」
とコメントがありました。
また、同じく1年のOさんは
「授業で装置の構造を習った時はもっと大きな装置を想像していたので
意外にコンパクトで驚きました。実際に使ってみて、より理解が深まりました。」
と話してくれました。
准講師のM先生の指導の下、物質が出す蛍光の量を測る装置で試料を測っています。
実際の操作を行いながら、その場で注意すべき点やコツなどを教えてもらっています。
その向かいでは、アクア先生の指導の下、
溶液中の成分を分けて測る装置で実験を行っていました。
試料の導入を行っています。
操作をしている学生も、周りで見ている学生も真剣です。
実験を終えた生命バイオ分析学科1年のK君に話を聞くと
「実際の装置を見たことで、いくつもの装置が組み合わさって
できていることが分かりました。
きちんとした分析を行うために守らなくてはならない手順が
色々とあることも学べました。」
と答えてくれました。
このように、授業と実験を通して、基礎的な知識と技術が養われていきます。
1年生の実験のすぐ隣では生命バイオ分析学科の2年生が
卒業研究を行っていました。
卒業研究では、1年から2年前期の間に修得した
機器分析や手分析の技術を使って実験を行うことで、実践力を養います。
そして、中間発表の終わった班は発表会の質疑応答で指摘していただいた点を踏まえて、
実験計画を練り直し、さらに研究を進めることで応用力を磨きます。
もう1台ある溶液中の成分を分けて測る装置を用いて、2年生が卒業研究中です。
測った結果を見ながら、装置が安定して作動しているか結果は妥当なのか、検討しています。
別の階にある物質が出す蛍光の量を測る装置の前では
測った結果を見ながら、自分たちが練り直した実験方法が
適切なのか話し合いをしています。
また、資料室では中間発表での指摘を基に
実験計画の練り直しについて議論している班もありました。
このように、基礎から応用へと着実に知識と技術を積み重ねて、
企業が求める実践力を身に付けた分析化学者へと成長していきましょう。
by みなと