せんせのブログ
共通した入学目的とそのニーズを満たす取り組み
2013.12.15
本校では、平日の学科には通学できない社会人や大学生等を対象とした、週末(土曜日・日曜日)
開講の「化学分析コース」を設置しています。週末だけの通学となりますが、平日の学科と同様に
2年間で卒業でき、毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の
国家資格を卒業と同時に取得することができます。このコースに在籍する学生のほとんどは社会人
ですが、現職でのスキルアップや技術職への転職を入学目的とされる方、事業の拡大を考えている
経営層の方以外に、就職活動を見据えて技術力を高める目的で入学される大学生も在籍しています。
在校生の多種多様なニーズを満たすために、このコースは20名の少数精鋭で開講しています。
そのような特徴を持つ化学分析コースですが、年内の授業は今日と来週末の3日間となりました。
入学目的は様々ですが、一つだけ全学生に共通したニーズがあります。それは「資格取得」です。
卒業と同時に取得できる3つの国家資格だけでなく、環境計量士・公害防止管理者・技術士補など
各学生が取得目標としている国家資格があります。平日の学科同様に、授業・実験を受講していく
なかで自然と資格試験の受験に必要な知識が身に付いていくカリキュラムを組み立てていますが、
国家資格の中には「実技試験」を課すものがあります。今日はその対策となる化学分析コースでの
取り組みを紹介したいと思います。
化学分析コースの1年生は、後期の実験の一つで「定性分析実験」を履修します。この定性分析は、
調べようとするものの中に「何が含まれているのか」を調べていく分析手法ですが、この実験では
分析対象を金属イオンとしています。その理由として、器具の取り扱いや、沈殿生成・ろ過による
分離を含め、化学分析に必要な基本をしっかり身に付けられること、ここで使用される化学反応が
多くの分析項目で応用されることが挙げられます。それ以外には、国家資格「化学分析技能士」の
筆記試験・実技試験で金属イオンの定性分析が試験科目となっていますので、国家試験対策という
目的もあります。
11月23日のブログで紹介しましたが、それまでに20種類を超える金属イオンの定性分析方法を
実験を通してマスターした学生たちは、今日から来年2月にかけて4回の実技試験を受験します。
今日はその1回目ということもあって、少し緊張した様子でしたが、試験が始まると身体が勝手に
動き始めたという感じです。
化学分析コースの実技試験は、化学分析のスキルを客観的に証明できる資格「化学分析技能士」の
中で最も難関といわれる1級の試験内容よりも難易度を高く設定していますので、このハードルを
越えることができれば、国家試験の合格にも近づくことができ、それを自覚することもできます。
実際に今年の3月に卒業したT卒業生が、化学分析技能士1級に合格しています。詳細はこちらを
ご覧ください(→卒業生からの嬉しい報告)。
実技試験の終了後、学生が休憩する間に私とM木先生は即採点を実施、休憩後に結果を返却します。
その結果を踏まえて、今日の実技試験を振り返り、上手くできなかった箇所の確認や、質疑応答を
終了時間まで熱心に繰り返していました。
今日の時点で「化学分析技能士」国家試験の合格レベルに達している学生もいますが、実技試験は
あと3回。今日の経験をフルに活かして、それぞれが満足のいく結果を出してほしいと思います。
by あずみ