せんせのブログ

これまでの実験内容を応用して

2014.01.18

本校では、平日の学科には通学できない社会人や大学生等を対象とした、週末(土曜日・日曜日)
開講の「化学分析コース」を設置しています。週末だけの通学となりますが、平日の学科と同様に
2年間で卒業でき、毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の
国家資格を卒業と同時に取得することができます。このコースに在籍する学生のほとんどは社会人
ですが、現職でのスキルアップや技術職への転職を入学目的とされる方、事業の拡大を考えている
経営層の方以外に、就職活動を見据えて技術力を高める目的で入学される大学生も在籍しています。
在校生の多種多様なニーズを満たすために、このコースは20名の少数精鋭で開講しています。

1年生は午後から応用分析化学実験に取り組みました。この実験は、定性分析実験
(何が含まれているのかを調べる実験)や定量分析実験(調べようとする成分等が
どれだけ含まれているのかを調べる実験)で用いた原理や操作等を応用し、食品や
河川水等の環境試料を、国や公的機関が定めた分析方法(公定分析法)で測定する、
いわば1年生の集大成となる実験です。

今日は、環境水がどれだけ有機物によって汚濁しているのかを評価する指標である
COD(化学的酸素消費量)測定を、経済産業省が定めるJIS(日本工業規格)に
従って行いました。

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この測定では、測定に妨害を与える物質を定性分析実験で行った沈殿生成によって
取り除き、また定量分析実験で行った酸化還元滴定法で分析を行うなど、今までに
実施した実験のエッセンスが凝縮されています。

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実験後I君(写真右奥)は、次のように話していました。

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   『今までに行った実験の操作などを組み合わせた分析方法でしたが、
    思っていたよりも手間取りました。分析の途中で、試料の性質に
    合わせて操作方法を変更する必要もありましたが、最後まで測定
    することができて良かったです。』

試料を加熱する時間の中で、他の操作や次の測定準備を行うなど、今日の実験では
同時に複数のことを行う力が必要でした。ただ、最終的な測定データを確認すると
入学以降、しっかりと実験に取り組み、器具の取り扱いや基本操作等がしっかりと
身に付き、分析スキルが向上していることも数値に表れています。1年生の実験は
あと少しを残すのみとなりましたが、自信を持って取り組んでくださいね!

by あずみ