2014.03.14
昨日のブログにもありましたように、今日は第31回卒業式でした。
ということで、長文です(笑)
場所は重要文化財でもあります大阪市立中央公会堂。
教職員はもちろん、自治会の在校生も一緒になって、
卒業生のために朝早くから式場の設営を行いました。
綺麗に整列された座席には、凛とした空気が流れていました。
いよいよ式が始まるんだなぁ・・・という感じ。
卒業生は入場行進で式場に入ってきますので、卒業生は控え室に待機。
開式までは在校生と保護者の方のみが着席となります。
話は少し飛びますが、
本校では毎朝、ショートホームルームに相当する
CT(C:コミュニケーション T:タイム)という時間があり、
行事に関する事や資格・就職情報などを
担任の先生から学生に連絡する時間があります。
単なる連絡事項を伝える時間だけでなく、
クラスメイトの内定や資格試験合格を祝ったり、スポーツ大会の優勝を祝ったりと、
嬉しくて楽しいCTとなることもあれば、
時には担任の先生から学生に苦言を呈する厳しいCTになったこともありました。
私が卒業生の控え室に潜入した時は、ちょうど最後のCTの時間でした。
卒業式の段取りの最終確認や卒業式終了後の連絡事項などが
担任の先生から伝えれていましたが、担任の先生も、卒業生たちも、
今までで一番晴れやかで、明るく、みんな笑顔の最後のCTでした。
そして、いよいよ司会の発声で卒業生入場行進です。
期待と不安を抱きながら入学式をしたこの場所に、
担任の先生を先頭に、一歩づつ、思いを込めてゆっくりと入場してくる
卒業生の顔は、少し緊張しているようにも見えました。
卒業生の入場で、式場がさらに凛とした空気に包まれ、式が始まりました。
まずは、卒業証書の授与。
やわらかで静かなオルゴールのBGMが流れる中で、
担任の先生から一人ずつ卒業生の名前が読み上げられます。
「はいっ!」と大きな声でその場で一人ずつ立ち上がる卒業生。
担任の先生はもちろん、送り出す先生方全員が、
「この子はこんなことがあったなぁ~」と、ひとりずつの思い出が、
アルバムのように鮮明に蘇ってきます。
また、担任の先生からは、卒業を祝う気持ちとは裏腹に
「もう担任として、こうして彼らの名前を読み上げるのは最後なんだ。。。」
という切なさが垣間見れました。
そして、各学科の代表が校長先生からクラスメイト全員の卒業証書を受け取りに壇上に。
校長先生からは静かにそして優しく微笑みながら「おめでとう」の言葉。
写真の卒業生は4年制学科「医療からだ高度分析学科」のOさん。
彼女は高校時代から医薬品業界で働きたいという夢を持っていましたが、
第一希望の大学受験に失敗し、滑り止めで合格、入学した4年制大学を中退して
本校に入学してきました。
「本校の4年制に入学して、薬理学や製薬学など、医薬品開発に必要な授業や実験が
たくさんあり、なおかつ、人間的な成長が出来、早いうちに希望する医薬品企業に
就職内定することができました。
大学にこだわってしまっていたら、今の自分はありません。
本校の4年制学科に入学して本当に良かったです。」と、
卒業式前日に学校で会ったときに話してくれたのが印象的でした。
卒業証書授与が終わると、理事長先生や校長先生からの祝辞。
特に印象に残ったのは校長先生の祝辞。
「君たちはこれまでに数千回と授業を受けてきましたね。
今からその最後の授業をします。テーマは『教えたくなる人』です。」
「人として教えたくなる人であれば、最初は知識も技術も、
もしかすると他の人よりも胸を張れるものではなかったとしても、
上司や先輩が必ず自分を成長させてくれる。
逆に、知識や技術は高くても、そういう人材でなければ、
教えたくなる人に追い越される。」
「そういった意味では、仕事は試され事、つまり『試事』である。」などなど。
ここですべてをご披露することはできませんが、
卒業生にとっては、心に残る最後の授業だったのではないかと思いますし、
一緒に出席している在校生の胸にも響いたと思います。
さて、式は賞状披露に移ります。
これまで学業面、各種学校行事、そしてクラブ活動など、
様々なシーンで活躍してきた卒業生に贈られる賞の数々。
選考基準に基づいて先生たち全員で選出しましたが、
この子にも、この子にもあげたいなぁ・・・と思える学生がいるものの、
この基準を満たしてないからあげられない、、、といったようなこともあり、
こうした賞を受賞することが、いかに凄いことかを実感する瞬間でもありました。
また、皆勤賞も16名いたことが報告されました。
皆勤賞の中には4年生もいましたので、
「2年間もしくは4年間、一日も遅刻・欠席・早退しない」ということが
どれだけ凄いことかは、自分の学生時代を振り返るとすぐに分かります。
この子たちには、無条件で、ただただ頭が下がります。
ご来賓の方々のご祝辞が終わり、いよいよ卒業式もクライマックスに。。。
まずは在校生代表として、資源分析化学科のNさんからの卒業生に向けての送辞。
環境委員会や自治会活動での先輩方とのふれあいの中で感じた先輩への尊敬の念や
先輩との絆、分かれることへの寂しさをゆっくりと名残惜しそうに語ってくれました。
また、答辞は卒業生を代表して資源分析化学科Mくんが行いました。
入学当初に感じていたことから2年間の学校生活について、
決して平坦ではなく、甘やかされることなく送ったその日々の中で、
どれくらい自分が成長したかを大きな声で堂々と発表する姿は、
私の持っていた少し弱気なMくんの印象とはまったく別人のMくんがいました。
答辞が終わり、Mくんが校長先生にそれを渡しに登壇すると・・・
「担任の先生から聞くと、就職活動を始めた頃の模擬面接では、
うまくいかずに、涙ぐむようなこともあったようですね。
でも、そうした経験があったからこそ、
大変伝統のある企業に就職できたのかもしれません。
本当によかったね。がんばって!」
という暴露話的エピソードを校長先生から不意打ちにされ、
本人の苦笑いとともに、会場全体が和やかになるシーンも。
最後は、卒業生からの記念品の贈呈。
卒業生を代表して生命バイオ分析学科Kさんから目録を頂戴しました。
彼女はこのブログでも度々紹介されていますが、
進路選択の一助になればということで、様々な分野の専門学校生が、
高校生に対して先輩から一言的プレゼンテーションをする
(一社)大阪府専修学校各種学校連合会主催のイベント
『19才のプレゼンテーション』で大阪府知事賞を受賞しました。
詳細はコチラ→ https://www.bunseki.ac.jp/teacher_blog/2013/12/post-7786.html
そのことを壇上でも再度披露され、
「卒業してからは、後輩たちの進路選択の一助にプレゼンテーションをしに
学校に戻ってきてくださいね。」と校長先生直々にお願いされる一幕も。
そして、高らかに流れるクラシカルミュージックとともに、
卒業生退場で卒業式は無事終了しました。
厳粛なんだけども、なんだか人と人のつながりが随所で見られる、
とてもあたたかい雰囲気の卒業式だったと思います。
式終了後は、各学科ごとの記念撮影があります。
みんないい顔してますよ!
記念撮影終了後は、校長先生から頂いた卒業証書を、
担任の先生から卒業生一人ひとりに言葉を添えながら渡していきます。
本当におめでとう!
遠方から式にご出席していただいた保護者の方はもちろん、
本当は出席したかったけれど、お仕事などの都合でご出席して頂けなかった保護者の方にも、
今日の雰囲気が少しでも伝わればと思い、大変長文となったことを、お赦しください。
さて、場所は変わって、
なにやらテーブルの上には美味しそうなお料理が並んでいますねぇ。。。
そうです!卒業記念パーティーです。
お世話になった先生方と、卒業生同士の卒業を祝うパーティーですが、
このパーティーの企画・構成・進行などのすべては、
今日の主役である卒業生から有志のメンバーで構成された実行委員会で
準備してくれました。
足立名誉校長先生の乾杯の発声と共に、ここからは賑やかな宴の始まりです。
「こんなこともあったなー。」「あれ最高やったなぁ~www」と
思い出話に花が咲きます。
そんな雰囲気の中、実行委員が作った2年間・4年間の思い出の
スライドショーが流れ、流れ終わったあとも、さらに会話が弾みます。
と、何やら司会席に怪しい蝶ネクタイマンが登場。
ここからは、卒業生全員を巻き込んで、先生方にちなんだクイズ大会!
豪華賞品(?)をかけて、みんな大盛り上がりです(笑)
そして、最後は花束贈呈と
担任の先生方からのひとこと。
いつもは照れて冗談を言ったりする先生が、真面目なメッセージで締めたり、
いつもは厳しめの先生がユーモアたっぷりの話をしたり、
2年間もしくは4年間の学校生活では見れなかった、
ここでしか見れない先生の姿に、卒業生も釘付けで話を聞いていました。
そして、全員の記念撮影を終えて、無事パーティーは終了、解散となりました。
みんなの弾けた笑顔が、このパーティーの成功を物語っているように思います。
本当に楽しかったね。
さてさて、パーティー会場の中で、とある仕掛けがあったのを、
卒業生の皆さんを始め、教員の皆さんはお気づきになっていましたか???
卒業記念パーティーのこの看板、タネも仕掛けもないようですが・・・
この看板が偉人・著名人の名言・格言に、コロコロと変わっていたのですが、
お気づきだったでしょうか?
「さすがは、日本分析化学専門学校!」というような方からのメッセージから。。
「あれあれっ?」と思うような方からの名言・格言まで(笑)・・・
しかも、司会からはこのことにまったく触れず、
「気付いた方だけで楽しんでいただけたら結構です・・・」という
隠れアイテム的な演出だったようです(笑)
そんな細かい演出も含め、卒業が決まってから、ほぼ毎日のように
学校に来て、企画会議や映像作成、シミュレーションなど、
頑張ってくれたのが、実行委員のこのメンバー。
お疲れさまでした!
ということで、楽しくてちょっと寂しい思い出深い一日が終わりましたが、
卒業生の皆さんは、ゴールしたと同時に、次のスタート地点に立たなければなりません。
これからは、学校で学んだ知識と技術だけでなく、本校で培った人間力を活かして、
未来を切り拓いていってくださいね。
そして、卒業しても、学校という「ふるさと」に、たまには顔を出してください。
今度は、先生と学生ではなく、同じ社会人として一緒に語り合いましょう。
改めて、卒業おめでとう!旅立つみなさんに「幸」多かれ!
byすくろーす
※明日は授業・実験・学校行事等がありませんので、このブログはお休みです。